
今回は「平方完成(へいほうかんせい)」がわからない!
というご質問を受けましたので、
先生に解説してもらおうと思います
先生!よろしくお願いします
[mathjax]

ザピエルくん、ありがとう
今回は、平方完成についてじゃな
平方完成は、高校数学でよく使われる方法なんじゃ
高校生の数学では、平方完成は、
2次関数だけでなく、三角関数、指数関数、対数関数などはもちろん、
なんらかの情報を、数式にして、
それが関数の形であれば、平方完成して、結論を導く
ということがよくあるんじゃ
なので、平方完成はぜひ身につけておいてほしいものなんじゃ

先生、こんにちブーンです
平方完成って、なんとなくわかるんですけど、
あんまり自信がありません・・・
シッカリできるようになりたいです!

ハッチくん、こんにちは
今回は平方完成をシッカリ解説するから、
ぜひ理解して、できるようになってほしいんじゃ

今回の記事を読むと、
①、平方完成が何かを理解できる
②、平方完成のやり方を理解できる
③、平方完成ができるようになる
というメリットがあるんですね

そのとおりじゃ
では解説をはじめるかのぉ
【数学】平方完成(へいほうかんせい)ってどうやるの?【高校数学】(質問ありがとうございました!)

まずは言葉の確認から始めるかのぉ
「平方(へいほう)」ってなに?

平方の意味はわかるかな?

面積の単位で、5平方メートルとか、使いますよね?
その平方と同じですか?

そのとおりじゃよ
平方というのは、2乗という意味なんじゃよ
長方形の面積は、タテ × ヨコ で求めるじゃろ
タテとヨコの単位が、メートルなら、
メートルを2回かけているわけじゃ
だから、メートルの2乗という意味で、
平方メートル、となるわけじゃな

なるほどです!
平方って、2乗ってことなんですね!
では、「平方完成」っていうのは、
2乗を完成するってことですか?
平方完成とは?

そのとおりじゃよ
平方完成とは、
平方を、完成させる
つまり、2乗の形を作り出す
ってことなんじゃよ

なるほどです!
2乗の形を作り出すわけですね!
でも、どうやったら平方完成できるのですか?
平方完成の考え方とは?

どうやって、平方完成をするかってことなんじゃが、
まずは、考え方を知っておくことが役立つんじゃ

どんなことですか?

平方完成は、
①、2乗を(無理やりでも)作る
②、元のやつと、つじつまを合わせる
という2つの流れでやるんじゃよ

①、2乗を作る
ってのはわかるんですが、
②のつじつまを合わせるって
どういうことですか?

じゃあ、それを説明するために、
数字の平方完成をやってみるかのぉ
問題:3を平方完成してください
これを考えてみてほしいんじゃ

え、こんな問題やったことないです・・・

そうじゃな
実は先生も見たことないかもしれない(笑)
じゃが、平方完成のやり方を確認するには、
ちょうどいい問題じゃないかのぉ

なるほどです!
えっと〜、3を平方完成するなら、平方根を使えばできますよね?
例えば、こんな感じです
\( 3 = (\sqrt{3})^2 \)
これで3を2乗の形にできました!

そのとおり!大正解じゃ
このように、平方根の考え方を使えば、
数字の平方完成は可能なんじゃ
しかしこの考え方は、
文字や式の平方完成には応用が利かないんじゃよ
今回の数字の平方完成の問題について、
平方根を使うのは数学的には正しいんじゃが、応用は効かないんじゃ
じゃから、応用が利く、別の考え方を身につけてほしいわけじゃ

ちなみに、平方根について、復習しておきたいなって方などは
こちらで解説しておるから、見ておくといいよ
お〜い、にゃんこくん、平方根の解説記事を出してくれる?

は〜い、先生!
平方根を学ぶなら、こちらの記事がおすすめにゃん
平方根の内容を解説した記事がまとめてあるので、
好きなものから読むといいにゃん!

なるほどです!ありがとう!読んでみますね!

それでは話を戻すかのぉ
いま、数字ではなく、
文字や式の平方完成をするためにどうしたらいいか?
を考えていたんじゃ

そうなんですね〜
では、どうすればいいんですか?

まず、平方完成の手順①を思い出すと、
①、2乗を(無理やりでも)作る
じゃな
3を2乗の形にするには、どうしたら良いかのぉ

3をもう一個かけたらいいと思います!
[mathjax]

そのとおりじゃ
3に3をかけ算すると、
\( 3×3= 3^2 \)
となって、平方(2乗)ができるのぉ

はい!
これで完成ですか?

これで終わったら間違いなんじゃよ
なぜかというと、
問題は、3を平方完成するわけじゃ
つまり、
\( 3×3= 3^2 \)
は、元の数字3ではないじゃろ?
だから、3を平方完成したことにはならないんじゃよ

なるほど!
元の3と、2乗にした \( 3^2 \) は、同じじ
ゃないですよね

そうなんじゃ
そこで、平方完成の2つ目の手順
②、元のやつと、つじつまを合わせる
を考えるんじゃ

どういうことですか?

元のやつというのは、
この場合、問題で与えられた「3」のことじゃな
そして、(無理やり)平方完成したら、
\( 3^2 \) になったわけじゃ
すると、平方はできた代わりに、
元の3とはちがうものになってしまったわけじゃ
だから、これを元のやつ、3と同じにできないかな?
と発想するわけじゃ

なるほど!
じゃあ、どうやればいいんだブーン?

自分で勝手に、3をかけたじゃろ?
だから、3で割って
3をかけた分をキャンセルすればいいんじゃよ
こんな感じじゃな
\( \frac{3^2}{3} \)
これを ②、つじつまを合わせる、と表現したんじゃ
これを計算してみると、
\( \frac{3^2}{3} = 3 \)
となり、元の3と一致するじゃろ
これで、平方完成ができた!というわけじゃ

なるほどです!
①、2乗を作って、
②、つじつまを合わせる
という2つの操作をすればいいんですね!

そのとおりじゃ
この考え方は知っておけば、
2次式や2次関数、その他、様々な場面で同じようにできるんじゃよ
つまり、応用がきくということなんじゃ

なるほどです!
式とかを平方完成するときにも使える考え方として、
①、2乗を作って、
②、元のと同じにする
を学んだわけですね!
どうせ学ぶなら、応用が利く考え方の方がいいですね!

では次は、平方完成の具体例を示してみるかのぉ?
2次式の平方完成の問題

具体的には、これを考えてみるかのぉ
\( x^2 – 4x + 5 \) を平方完成してください

こういうのです!
2次関数とかでよく出てきそうですね!

そうじゃな
高校数学で最初の方で習うのが2次関数
という方も多いかと思うんじゃ
そこでよく出てくるのが平方完成じゃな

はい!

2次式を平方完成するのも、
上の手順①、②をやればオッケーなんじゃよ

じゃあ、まずは
①、2乗を(無理やりでも)作る
を考えればいいんですよね?
でも、どうやって、2乗を作るんですか?
というか、
\( x^2 – 4x + 5 \) には、
すでに \( x^2 \) として、2乗がありますよ!
だから、もう平方完成してるんじゃないですか?

確かに \( x^2 \) はあるから、2乗はあるのぉ
ここで、2次式での平方完成について、
1つルールを覚えてほしいんじゃ
xの2次式での平方完成は、
x が含まれる項すべてが2乗になるようにする
というのがルールなんじゃ
つまり、(xの2乗の項)+(数字)
という形にするのが平方完成なわけじゃ
実は、こうやって、変数xを一ヶ所に集めることが
数学的に重要な意味を持つんじゃがな
それはここではおいておこうかのぉ
\( x^2 – 4x + 5 \) には、
\( x^2 \) の項は2乗じゃが
\( – 4x \) の項は2乗じゃないじゃろ
じゃから、平方完成できていないわけじゃな

なるほどです!
じゃあ、どうすればいいんですか?
2次式の平方完成は、因数分解の延長

2次式の平方完成は、
実は、因数分解の延長なんじゃよ

え、そうなんですか?

因数分解の公式で、以下のものがあったのを思い出してほしいんじゃ

因数分解の公式
\( a^2 + 2ab + b^2 = (a + b)^2 \)
\( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)

この因数分解の公式は、
平方完成の文脈では、平方(2乗)を作り出す公式
と(勝手に)呼んでいいるんじゃ

この公式は知っています!
でも、あらためて見ると、
この公式を使うと、平方(2乗)を作ることができることがわかります!
これを使って、2次式に平方を作ればいいんですね〜

そのとおりじゃ
では、問題の式をもう一度みてみるかのぉ
問題は
\( x^2 – 4x + 5 \)
じゃな
これを、因数分解の公式とくらべてみるんじゃよ
\( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)
今回は、xの項がマイナスなので、下の公式を使うんじゃ

くらべるって、具体的には、どう、やればいいんですか?

まずは、\( x^2 \) の2次の項をくらべるんじゃ
問題も、公式も、どちらも、
①、文字が2個かけ算されている(2次ということじゃな)
②、係数が1
になっておるじゃろ
つまり、文字の次数と、係数をくらべるわけじゃな
これらが一致した時に、2次の項は一致した
と判断するわけじゃ
今回の問題での x は、公式では a に対応してるというわけじゃな
ちなみに、文字の種類(例えば、xとaとか)はちがってもオッケーなんじゃ
ここが間違いやすいから気をつけてほしいんじゃな

なるほどです!
文字の次数とか、係数ってなんでしたっけ?
ちょっと自信ないです・・・

いい質問じゃよ
次数とか係数がわからないと、式を扱うのに苦労するはずじゃ
ぜひしっかりマスターしてほしいんじゃ
それらを解説した記事があるから、それを読んでシッカリ理解してほしいんじゃ
お〜い、にゃんこくん、次数とか係数の解説記事を教えてー


ありがとう!読んでみます!

では、次のステップにいくかのぉ
次は、
\( x^2 – 4x + 5 \)
の、xの項に注目するんじゃ
つまり
\( – 4x \)
じゃな
これを、因数分解の公式とくらべてみるんじゃよ
\( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)

どうやってくらべるんですか?

xの項は1次じゃから、
因数分解の公式の、1次の項とくらべるんじゃ
\( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)
は、ぱっと見は、どれも2次の項ばかりじゃが
これを a の式と考えるのがポイントじゃ
つまり、aは文字で、bは数字と考えるわけじゃな
すると、aの1次の項は、
\( – 2ab \)
というわけじゃ
これを、問題の式の1次の項
\( – 4x \)
とくらべるわけじゃよ

なるほど!
でも、係数が、2と4でちがいますよね!

そうじゃな
そういう時は、問題の式を、公式に合わせるといいんじゃよ
具体的には、
\( – 4x = – 2 × x × 2\)
と
\( -2ab = – 2 ×a ×b \)
のように考えるといいわけじゃ

2次の項を比べた時に、x と a が対応するとわかってたので、
\( – 4x = – 2 × x × 2 \)
\( -2ab = – 2 ×a ×b \)
のように対応させるわけですね!

そのとおりじゃ
すると、この1次の項の結果から、
公式の b は、問題の2と対応してることもわかるわけじゃ

あ!本当ですね!

では、わかったことをまとめるかのぉ
平方完成をするのが目的じゃから、
公式 \( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)
を使うわけじゃ
そして、今回の問題は、
\( x^2 – 4x + 5 \)
というわけで、
公式の a はx 、bは2 に対応している
というところまでわかったわけじゃ

そうですね!
じゃあ次はどうすればいいんですか?

では公式に、
aの代わりにxを
bの代わりに2を
入れてみてごらん

a = x, b = 2を代入すればいいんですね!
えっと〜
\( a^2 – 2ab + b^2 = (a – b)^2 \)
なので、
\( x^2 – 2×2 + 2^2 \)
\( = x^2 – 4x + 4 = (x – 2)^2 \)
となりました!

そのとおりじゃ
つまり、
\( x^2 – 4x + 4 \)
があれば、
\( (x – 2)^2 \)
のように、平方が作れるわけじゃ

でも先生!
問題の式は、
\( x^2 – 4x + 5 \)
だから、
\( x^2 – 4x + 4 \)
とちがっていますよ〜
だから、できないんじゃないですか?

たしかに、因数分解せよ、という問題なら、
できない!が正解じゃ
しかし、今は、平方完成する!
というのが目的なんじゃ
じゃから、平方完成の手順を思い出すとよいんじゃ

平方完成は、
①、2乗を(無理やりでも)作る
②、元のやつと、つじつまを合わせる
という2つの流れでしたね!

そのとおりじゃ
①、2乗を(無理やりでも)作る
の手順にしたがって
\( x^2 – 4x + 5 \)
について、2乗を作るために、
\( = x^2 – 4x + 4 = (x – 2)^2 \)
のように、4が必要なんじゃ
じゃから、問題の式に、無理やり4を登場させるんじゃよ
\( x^2 – 4x + 4 + 5 \)
すると、これは
\( = (x – 2)^2 + 5 \)
とできるので、
(xの2条の項)+(定数項)
となって、平方完成ができるわけじゃ

なるほどです!
けれど、勝手に4を付け加えたので、
元の式とちがいますよね?

そのとおりじゃ
そこで平方完成の手順②なんじゃ
②、元のやつと、つじつまを合わせる
というやつじゃな
勝手に4を足したから、4を引いておけば
元のと同じになるじゃろ?
つまり、
\( x^2 – 4x + 5 \)
\( = x^2 – 4x + 4 – 4 + 5 \)
\( = (x – 2)^2 – 4 + 5 \)
\( = (x – 2)^2 + 1 \)
とできるわけじゃ

なるほどです!
①、2乗を(無理やりでも)作る
②、元のやつと、つじつまを合わせる
という手順ですね!
①の2乗を作る時に、
因数分解の公式を、xの2乗とxの項を見ながら、
活用すればいいんですね!
その時に、文字の次数や係数をきちんと比較できるようにし
ておくことが大事なんですね!

そのとおりじゃ
平方完成というのは、
中身は、因数分解と、
文字の次数や係数の比較をきちんとできるか
が問われているわけなんじゃ
もし平方完成が苦手な方は、
文字の次数や、係数の比較
因数分解
といったところを復習するとわかるようになるはずじゃ

わかりました!
その辺りも復習していきます!

そうじゃな
お〜い、にゃんこくん、次数や係数の記事や因数分解の記事を教えて〜


因数分解の記事は、こちらにゃん

ありがとうございます!読んでみます!

じゃあ今回の解説はこのくらいにしておくかのぉ
お〜い、ザピエルくん、あとお願い!

あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
- 成績をアップさせたい
- 楽しく勉強したい
といったあなたに特にオススメです。
できるだけ楽しみながら勉強できるように工夫しています。
ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


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