
今日は、微分(びぶん)についての内容じゃ
微分ってむずかしそう!ってあなたが、
あ、微分ってこういうものなのね!とイメージをつかんでもらえたらと思うんじゃ
では、はじめるかのぉ
「微分」は、高校数学で習うんじゃが、学校の授業では、
- 微分の定義はこれで・・・
- 多項式の微分のやり方はこれで・・・
- 三角関数、指数関数、対数関数の微分のやり方はこうで・・・
- 練習問題を解いて、できるようにしましょう
という感じで進んでいくのが普通かのぉ
高校の授業時間数や、受験を考えると、このやり方は理にかなっておるんじゃが、
- 微分って、そもそも、なに?
- なぜ、微分を学ぶの?
- どう、微分が役立っているの?
といったことを知る機会が少ないのは残念なことだと思うんじゃ
微分は世の中の様々なとこで活用されていて、とても重要じゃ
大学の理系学部や経済学部などでは、微分は必須と言えるんじゃ
また、もしあなたが社会人で、数学を1から学ぶなら、
意味をしっかり理解することは、
最終的には、急がば回れで、理解が速くなるはずじゃ
そこで本記事では、
微分の意味
微分を使う理由
微分がどこで役立っているか
といったことをまとめようと思うんじゃ
また、分かりやす具体例を示して、
微分ってこんな感じなんだ
というイメージをつかんでもらえたらと思うんじゃ
それによって、
微分って面白いなぁ
将来、役に立ちそうだなぁ
今日の勉強をとりあえず頑張れそう
と思ってもらえたらと思うんじゃ
微分を習ったことない方も理解できるように書くから、
1つずつシッカリ読んでほしんじゃ

では、解説をはじめるかのぉ
微分(びぶん)とは?微分のイメージと、わかりやすい例はこちらです
[mathjax]
微分の定義は、以下の式で習うと思うんじゃ

\( \lim_{x \to a} \frac{f(x) – f(a)}{x – a} \)
これを習って、そーいうことね!
って理解できる方は少ないじゃろう
むしろ、なにこれ?って方が多いのではないかのぉ
そこで、この意味を解説してみようと思うんじゃ
微分の定義の意味

先に結論を述べておくことにするかのぉ
微分というのは、関数の、ある瞬間での性質を表したものなんじゃ
例えば、速さであれば、
単なる速さではなく、あの瞬間の速さを求めたい、
その時役立つのが微分、というわけじゃ
え、どういうこと?
って方は、以下を読んでいってほしいんじゃ
平均の速さ
ここでは、分かりやすい例から、微分の意味について考えてみようと思うんじゃ
こんな例を考えてみるかのぉ

Aさんは、家から図書館まで10キロの道のりがあります。
Aさんは10時に出発したら、11時に到着しました。
この時、Aさんの自転車での速さは、毎分何キロでしょうか?
こういう問題は、中学生の頃、解いたことがあるのではないかのぉ
求めるのは速さじゃが、

(速さ)=(道のり)÷(時間)
という公式を使えばいいんじゃな
すると、今回の道のりは、10キロ
時間は、11時ー10時=1時間=60分
とわかるから、
速さ= 10キロ÷60分=約 0.17 キロ/分
と答えが出るわけじゃな
え?これが微分と、どう、関係するの?
って思うかもしれないんじゃが、関係があるんじゃよ
少しこらえて、次の場合を考えてみてほしいんじゃ

Aさんは、家から図書館まで10キロの道のりがあります。
Aさんは10時に出発したら、11時に到着しました。
ちなみに、途中でくだり坂があるので、
そこでは自転車の速さは、一定ではなく、速くなりました。
この時、Aさんの自転車での速さは、毎分何キロでしょう?
坂道があるから、①と②では、速さがちがうわけじゃ
なので、最初の問題のように、
速さ=道のり÷時間
として計算できないわけなんじゃ
困った・・・
となるわけじゃな
坂道で自転車の速さが、変化する時は、
その瞬間・瞬間で、速さが変わっているわけじゃ
なので、正確に速さを知ろうと思ったら、
その「瞬間の速さ」を考える必要があるわけじゃ
そこで、瞬間の速さって、どう、求めたらいいの?
って考えてみることにしようかのぉ

なぜかというと、
瞬間の速さは、微分と関係しているんじゃよ
瞬間の速さ
まずは数学らしく、軸を導入しようと思うんじゃ
最初の例とほぼ同じ図じゃが、X軸とT軸が使われていることがわかるじゃろう
X軸は、道のりを表していて、家から図書館まで10キロという情報は、
X軸を使って表現すると、X座標が0から10に対応しているわけじゃな
T軸は、時間を表していて、家を10時に出て、11時に着いたという情報は、
T軸を使って表現すると、T軸座標が、10:00から、11:00に対応しているわけじゃ
ここまではいいかのぉ
では、以下の場合を考えてみたいんじゃ
全体としては、10キロを1時間で進んだのは同じなんじゃ
ただ、新しい情報が入ったんじゃ
最初の1キロから4キロは、まだ元気じゃったから速かったというんじゃ
1キロ地点は10:10に通過し、4キロ地点は10:20に通過したということじゃ
この時、1キロから4キロの間の速さ を考えてほしいんじゃ
4キロから1キロの間の距離は、4−1=3キロ
それにかかった時間は、10:20ー10:10 = 10分
つまり、この時の速さは、
(速さ)=3 ÷ 10 = 0.3 キロ/分
として計算できるわけじゃな

ここからが重要じゃ
この速さの計算式は、以下のようにもかけるわけじゃ
速さ= \( \frac{4 – 1}{10:20 – 10:10} \)
分子は、道のりを出すために、2つの地点のX座標の差を使っているんじゃ
分母は、時間を出すために、2つの地点のT座標の差を使っておる

軸を導入したことで、2つの地点の差として、表現できるわけじゃな
では、今1キロから4キロの間の話じゃったんじゃが、
もっと短い距離の速さを考えてみるかのぉ
これは、2キロから3キロの時の図じゃな
時間は10:12から10:15となっておる
速さ= \( \frac{3 – 2}{10:15 – 10:12} \)
と表すことができるのぉ
さらに短い距離を考えてみるかのぉ
これは、位置 x1 から 位置 x2 の時の図じゃ
時間はそれぞれ t1 と t2 になっておるのぉ
すると、上と同じように、
速さ= \( \frac{x2 – x1}{t2 – t1} \)
と表すことができるわけじゃ
関数の考え方を導入する

このことを、数学的にうまく表現するために、関数の考え方を導入したいんじゃ
いま、時間 t1 の時、位置は x1と決まるのぉ
また、時間 t2 の時、位置は x2 と決まるのぉ
このように
何かの値が決まると、別の値も決まる
この関係を、「関数」と呼ぶんじゃったな
もし、あれ?関数って何だっけ?って方は、
以下の記事を読んで復習するのがオススメじゃ、お〜い、ニャンコくんお願い

ニャンコくん、ありがとう
話を戻すとするかのぉ
関数には、具体的には、
\( y = 3x \) とか、\( y=x^2+3x+3 \) とかがあるんじゃ
また他にも、\( y=f(x) \) のような書き方もあるんじゃ
これは、『y は x の関数ですよ』ということを示している書き方じゃ
(ちなみに、f は function(関数)の略じゃな)
ここまでいいかのぉ
では、問題に戻るとするかの
この問題では、時刻 t が決まると、位置 x が決まる、という関係じゃ
つまり、x は tの関数というわけじゃな
じゃから、
\( x = f(t) \)
と書けるわけじゃ
より具体的には、
時刻 t1 の時の位置 x1 は、\( x1=f(t1) \) と書けて、
時刻 t2 の時の位置 x2 は、\( x2=f(t2) \) と書けるわけじゃ
これを使うと、速さの式は、以下のように書きかえることができるんじゃ
速さ= \( \frac{x2 – x1}{t2 – t1} \)
速さ= \( \frac{f(t2) – f(t1)}{t2 – t1} \)
極限(きょくげん)の考え方を導入する
思い出してほしんじゃが、
もともと考えたかったのは、「瞬間の速さ」じゃったわけじゃ
「瞬間の速さ」というのは、その時・その場所での速さ、と考えれるんじゃ
つまり、
速さ= \( \frac{f(t2) – f(t1)}{t2 – t1} \)
において、2つの時間の間隔
\( t2 – t1 \)
が、めちゃくちゃ小さくすれば、
その瞬間の速さを表すことができるわけじゃ
ここの考え方には、
う〜ん、納得いかない!
という方も多いかもしれないんじゃ
しかし、これが微分というもの本質的な考え方なんじゃ
納得いかなくても、とりあえず、これを認めて、先の話を聞いてほしいんじゃ
これを数学的に言い換えると、
\( t2 – t1 \) が
ゼロに近くなる「極限(きょくげん)」を考えるといい、というわけじゃ
これを数式で表現すると、
瞬間の速さ = \( \lim_{t2 \to t1} \frac{ f(t2) – f(t1) }{t2 – t1} \)
と書けるんじゃ
ちなみに、極限を式で表現するには、
\( \lim_{x \to a} x^2 \)
のように、\( \lim_{x \to a} \) という記号を使うんじゃ
lim は極限(リミット limit)を表し、
x → a を合わせて書くことで、x を aに極限まで近づける
という意味を表現することができるんじゃな
つまり、
瞬間の速さ = \( \lim_{t2 \to t1} \frac{ f(t2) – f(t1) }{t2 – t1} \)
の意味は、
t2 を t1 に極限まで近づけた時に、
すなわち、t2 ー t1 を限りなくゼロに近づけた時に、
道のり÷時間 をすると、瞬間の速さが計算できる、というわけじゃ
この式は、時刻 t1での瞬間の速さを計算しているというわけじゃな
瞬間の速さと、微分の関係
ここからがいよいよ本番じゃ
上で求めた瞬間の速さの式を見てほしんじゃ
瞬間の速さ= \( \lim_{t2 \to t1} \frac{ f(t2) – f(t1) }{t2 – t1} \)
ここで使う文字を変えてみようかと思うんじゃ
t1, t2, というのは、自分で勝手に使った文字じゃから、
別に t1, t2 である必要はないわけじゃ
というわけで、t1 を a、t2 を x と書き換えてみることにしよう
すると、
瞬間の速さ= \( \lim_{x \to a} \frac{ f(x) – f(a) }{x – a} \)
と書き直せるわけじゃ
これを、微分の定義式と比べてほしいんじゃ
微分の定義式= \( \lim_{x \to a} \frac{f(x) – f(a)}{x – a} \)
完全に一致しておるじゃろ
つまり、

微分というのは、瞬間の速さのことなんじゃ
これが微分のイメージなんじゃな
もちろん微分というのは、様々な関数について使うことができるから、
どれも瞬間の速さを求めているわけではないんじゃ
しかし、微分がどんな操作をしているかのイメージとしては、
関数の、ある瞬間での性質を求めている、そういうイメージを持っておけばオッケーじゃ
複雑な関数に出会ったら、なにこいつ?どんな関数だよ!?
となるかもしれないわけじゃ
そんな時は、とりあえず関数の全部を知るのはあきらめて、
一部分の性質だけでも理解しよう
と考えてみるんじゃ
すなわち、1部分、つまり、関数のその瞬間での性質を知りたければ、微分すればいい
というわけじゃ
何のために微分するの?
には、その関数のある瞬間での性質を知るため、
と答えることができるわけじゃ
世の中のいろいろな現象は、関数で表現することができる
つまり、世の中の出来事の瞬間・瞬間の性質を知りたかったら、
関数を作って、微分してやればいい
ということなんじゃな
微分は世の中で役に立ってそうじゃろ?
これが微分のイメージなんじゃな
というわけで、微分を学んでおくのは、
あとあと役に立ちそうだと思ってもらえたんじゃないかのぉ
では最後に、ちょっとへぇ〜という感じの例を示して終わりにしようかと思うんじゃ
微分の面白い、簡単な例

問題:次の式を、rについて微分してください
\( f(r) = \frac{4}{3}\pi r^3 \)
この式、球の体積を求める式じゃのぉ
「身の上に心配あーる3乗」なんて覚えた方も多いんじゃないかのぉ
これを r について微分してくださいということじゃ
やってみるかのぉ
\( f'(r) = 3 \frac{4}{3}\pi r^2 = 4\pi r^2 \)
となり、\( 4\pi r^2 \) は、球の表面積の公式が出てきたわけじゃ
つまり、微分すると、
球の体積 → 球の表面積
という変換ができたわけじゃな
中学校で習った2つの公式には、微分というつながりがあった、というわけじゃな
というわけで、微分のイメージと、具体例は以上じゃ

今日はこれくらいにしておくかのぉ
お〜い、ゼピエルくん、あとお願い!

あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
- 成績をアップさせたい
- 楽しく勉強したい
といったあなたに特にオススメです。
できるだけ楽しみながら勉強できるように工夫しています。
ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


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