
今回は、こんな質問をいただきました!

\( 2x^2 + 7x + 6 \) の因数分解ってどうすればいいの?

では先生、お願いします~

「2次式の因数分解」の問題じゃな
2次式の因数分解では、
\( x^2 \) の項は、係数が「1」であることが多いんじゃ

\( x^2 + 3x + 2 \) のような感じですか?

そのとおりじゃ
でもこの問題では、
\( 2x^2 + 7x + 6 の、x^2の係数は\) 「2」となっておる。
あんまり慣れてない形ではないかのう

そうなんですよ。
あんまり見たことなかったんで、できなくて。
どうやって、因数分解すればいいのですか?

じつは、こういう場合でも、
因数分解の「たすきがけ」のやり方をシッカリ理解していれば、
きちんとできるんじゃよ

そうなんですか!
因数分解は、なんとなくできるんだけど、
もっと確実にできるようになりたいです!
ぜひ、たすきがけでのやり方を教えてください!

よし!
では、いっしょにやっていくとするかのぅ

はい!

というわけで、本記事では、
「たすきがけを使った因数分解」
で、この問題を解いてみるようです。
【数学 質問解答】因数分解の難問について:複雑なたすきがけ(質問ありがとうございました!)【中学数学 中3 因数分解】

因数分解には、大きく分けて2つのやり方があるんじゃ。
今回はその1つの、「たすきがけ」の方法で解いてみる。

はい!
ただ、「たすきがけのやり方」がよくわかってないんです~

だいじょうぶじゃ
「たすきがけの基礎」はきちんと説明しているから、
そっちを見てもらえば、わかるようになるはずじゃ
おーい、にゃんこくん、教えてあげて~


にゃんこくん、ありがとう
たすきがけのやり方は、決まっているんじゃ
なので、そのやり方をシッカリ身につけるようにするのじゃ

やり方が同じってことは、
1つ身につければ、
同じパターンの問題は、全部、解けるようになるってことですか?

そのとおり!
きちんとできるようになれば、あとでラク~になるわけじゃ

ぜんぶ解けるようになりたいです!

なれる!
そのためにまず、この問題の「やり方」を、シッカリ理解するのじゃ

わかりました!

それでは今回の問題を考えてみることにしよう

\( 2x^2 + 7x + 6 \) を因数分解してください、でした

まず最初の手順①
いま、\( x^2 \) の項が1以外の2なので、
かけ算して、\( x^2 \) の係数になるような数字を考えるのじゃ

\( x^2 \) の係数が1以外の数のときは、いつもこう考えるんですか?

そのとおり!

\( x^2 \) の項が2なので、かけ算して2になるのは、
1×2 でいいんですか?

大正解じゃ
次は、その1と2を使って、下のように表を書いてほしいんじゃ
(表)
1 | ||
2 |

さっきの1と2を一番左に書けばいいんですね。

そう
これができたら、次のステップにいこう

\( 2x^2 + 7x + 6 \) の文字がない項は、6だね。
たすきがけ手順②
かけ算して、数字の項となるような2つの数を考えるんじゃ

かけ算して6になる数って
- 1×6
- 2×3
の2つの場合がありまよね?これでいいんですか?

それで大正解!
でもじつは、マイナスの場合もあるから、気をつけるんじゃ
- (-1)×(-6)
- (-2)×(-3)
もかけて6になる組み合わせなんじゃ

ほんとだ!
これは気をつけないと忘れちゃう
じゃあ、かけて数字の項6になるのは、
全部で4パターンあるってことですか?

そうなんじゃ。
まとめると、かけ算して6になる数のパターンは4つじゃ
- 1×6
- 2×3
- (-1)×(-6)
- (-2)×(-3)
これら4つのパターンを、1つひとつ調べていって、
因数分解に必要な数をみつけていけばいいというわけじゃ

なんかめんどくさそうですねぇ

そうなんじゃ。
でもじつは、このめんどくささは、我々人類の役に立ってるんじゃよ。
パソコンやスマホを守る「暗号」に使われてたりするんじゃ。

そうなんですか!くわしく聞きたいです!

そうじゃな。機会があったら、話してみよう。
いまは、因数分解をシッカリやってみるのが先決じゃな。

そうですね!じゃあ、つぎはどうすればいいんですか?

つぎは、かけ算して、数字の項6になるパターンの1つ目を考えてみるんじゃ

じゃあ、1×6からですね!
(2-1), 1×6のパターン

上でつくった表は以下じゃ
1 | ||
2 |

つぎは、この表の、まん中の列をうめていくのじゃ

いま考えてるのは、1×6のパターンなので、
表のまん中の列には、1と6を書くのじゃ。
すると、表は下のようになる
(表1)
1 | 1 | |
2 | 6 |

じつは、1と6の上下を入れかえて、
6を上に、1を下にした表も書けるんじゃ
(表2)
1 | 6 | |
2 | 1 |

表が2つになりましたね

そうじゃ
つぎは、右の列をうめていくんじゃが、
表が2つあると混乱するかもしれないな

表は2つあるけど、1つずつ考えてみればいいんじゃ

まず(表1)から解説お願いします!

(表1)はまんなかの列までうまっておったな
(表1)
1 | 1 | ① |
2 | 6 | ② |

つぎは、左の列の青の1と、まんなかの列の6をかけ算するのじゃ
「ななめにかけ算する」とおぼえておけば間違えないじゃろう
すると、1×6=6で、計算結果が6になるから、
それを表の②のところに書けばオッケーじゃ
1 | 1 | ① |
2 | 6 | ② 6 |

同じように、赤文字についても計算するんじゃ
左の列の赤の2と、まんなかの列の1をかけ算するのじゃ
2×1=2で、計算結果が2になるから、
それを表の①のところに書けばオッケーじゃ
(表1)
1 | 1 | ① 2 |
2 | 6 | ② 6 |

これで(表1)のできあがりじゃ
ポイントは、左とまん中の数字を、「ななめにかけ算」してるとこじゃ
この計算方法を ”たすきがけ” と呼んでいる理由は、
ななめのかけ算が、たすきがけに似てるからなんじゃ

そういうことだったんですね!
なぜ、たすきがけっていうのか疑問だったんですよ~
なぞが解けました!

よし!それでは最後のステップの説明じゃ
たすきがけの手順③
因数分解につかえるかどうかを調べる
そのためには、できあがった表を使うんじゃ
(表1)
1 | 1 | ① 2 |
2 | 6 | ② 6 |

どう調べるかというと、
上の表の①+②をたし算をすればいいんじゃ

①+② = 2+6 = 8 でいいんですか?

大正解じゃ
この8を、因数分解したかった式
\( 2x^2 + 7x + 6 \)
のxの項の係数「7」と比較するのじゃ

8と7なので、ちがう数字ですね。

そうじゃ、
両者は、ちがう数字だとわかったんじゃ
ということは、因数分解には使えないと判断するわけじゃ

そうなんですね、なるほどです!
じゃあ、次はどうすればいいんですか?

次の表を考えるのじゃ

じゃあ(表2)を考えるんですネ

そのとおりじゃ
(表2)は以下のとおりじゃ
(表1)と同じように、①、②をうめていくのじゃ
(表2)
1 | 6 | ① |
2 | 1 | ② |

ななめにかけ算するから、
まず、左とまん中の青文字同士を、ななめにかけ算して、
1×1=1の答え1を、右の列の②にかけばいいんですか?

そのとおりじゃ

じゃあ、左とまん中の赤文字同士も、ななめにかけ算して、
2×6=12の答え12を、右の列の①にかけばいいんですね!

そのとおりじゃ

(表2)ができました!
(表2)
1 | 6 | ① 12 |
2 | 1 | ② 1 |

では、因数分解につかえるかどうか、調べてみるのじゃ

えっと、(表2)の①+②をたし算して、
①+② = 12+1 = 13
となりました。

13と7なので、ちがうことがわかりました!
なので、因数分解には使えない、ってことですよね!?
これを因数分解したかった式
\( 2x^2 + 7x + 6 \)
のxの項の係数「7」と比較すればいいんですよね?

そのとおりじゃ
これで、かけ算して数字の項6になるパターンの1つめ、
1×6のパターンは、因数分解に使えないことがわかったんじゃ
1×6- 2×3
- (-1)×(-6)
- (-2)×(-3)
なので、次のパターン2×3を考えることになるわけじゃ

わかりました!
次にいってみましょう!
(2-2), 2×3のパターン

スタートは、最初の表に戻って、以下のところからやればいいんじゃ
(表)
1 | ||
2 |

今度は、2×3のパターンを調べるので、
2と3を使って、2つの表が書けるわけじゃ。
(表3)(表4)としておこうかのぅ
(表3)
1 | 3 | ① |
2 | 2 | ② |
(表4)
1 | 2 | ① |
2 | 3 | ② |

ここからはさっきと同じで、
(表3)と(表4)の①と②を、うめればいいんですか?

そのとおりじゃ

左とまんなかの数字を、ななめにかけ算して、
右の列に書けばいいんですよね
・・・
できました!
(表3)
1 | 3 | ① 6 |
2 | 2 | ② 2 |
(表4)
1 | 2 | ① 4 |
2 | 3 | ② 3 |

大正解じゃ!
じゃあ、つぎは何をすればよかったかな?

えっと、因数分解につかえるかどうか調べる??

そのとおりじゃ
ではやってみてごらん

\( 2x^2 + 7x + 6 \) のxの項の係数は、7です。
(表3)のとき、
①+② = 6+2 = 8
7と8で、一致しないので、因数分解に使えませんネ

(表4)のとき、
①+② = 4+3 = 7
7と7で、2つが同じになりました!
同じになったら、因数分解に使えるってことですよね?

そのとおりじゃ
では、使い方を説明しよう
まずは同じになった(表4)が必要じゃ
(表4)
1 | 2 | ① 4 |
2 | 3 | ② 3 |

この表を使って、因数分解の式をつくるんじゃ
ポイントは、(表4)を以下のようにみることじゃ
(x | +2) | ① 4 |
(2x | +3) | ② 3 |

1段目と2段目の青と赤をかけ算すると、
(x+2)(2x+3) をつくるんじゃ
じつは、これが因数分解の答えなんじゃ

え!そうなんですか!?
ということは、
\( 2x^2 + 7x + 6 = ( x + 2 )(2x + 3) \)
ってことですか?

そのとおりじゃ
なので、テストで答えだけ書くのなら、
解答欄に、\( ( x + 2 )(2x + 3) \) と書けば正解じゃ

なるほどです!
これで、たすきがけの因数分解もできそうです!

それはよかった!
ただ、1つだけ覚えておいてほしいんじゃが、
因数分解は、必ず点数がとれるんじゃ

え?なぜですか?

因数分解は、答えが出たら、「展開(てんかい)」してみる
答えがあっているか、確かめることができるからじゃ
これをやることで、
計算ミスをみつけることができるわけじゃ

入試だと、1点でも落としたくないですもんね

そのとおりじゃ!
なので、因数分解ができたら、展開して確かめること!
これを忘れないようにするのじゃ

わかりました!

では、今回の問題でも、展開して、たしかめてみよう
\( ( x + 2 )(2x + 3) \)
を展開するには、分配法則をつかうのじゃ

\( ( x + 2 )(2x + 3) \)
\( =x × 2x + x × 3 + 2 × 2x + 2 × 3 \)
\( = 2x^2 + 3x + 4x + 6 \)
同類項をまとめると以下じゃ

\( = 2x^2 + 7x + 6 \)

あ、これ問題の式と同じですね!

そうじゃ
ということは、きちんと因数分解できてるってことがわかったんじゃ

これで、自信をもって、解答欄に書けますネ!

そういうことじゃ

ちなみに、数字の項の6になるパターンは4つあって、
1×6- 2×3
- (-1)×(-6)
- (-2)×(-3)
下2つは、まだ調べてないですよね?
これらはどうすればいいんですか?

それらは、もう考えなくていいんじゃ

因数分解に使えるものがみつかれば、その他は調べなくていいんじゃ

そうなんですね!わかりました!

あと、展開のとことで出てきた、
「分配法則」や「同類項の計算」がよくわからないいですけど・・・

なるほどなるほど
どちらも、高校入試などで、とっても大事なところじゃ
お~い、にゃんこくん、「分配法則」と「同類項」の記事を紹介してくれ
ついでに、「たすきがけ」もたのむ


にゃんこくん、ありがとう!

ありがとうございます!みてみますね!

どういたしましてだにゃん

というわけで、
今回は、因数分解の難問の解き方を、
たすきがけを使って解いてみました。

お~い、ザビエルくん、あとお願い!

あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
- 成績をアップさせたい
- 楽しく勉強したい
といったあなたに特にオススメです。
できるだけ楽しみながら勉強できるように工夫しています。
ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


「中学数学」を学んだりやり直しならこちらの本がおすすめだにゃん
『【数学】中学数学を独学したい、やり直したいあなたにおすすめの参考書や問題集はこちらです【中学数学 高校数学 数学検定】』



コメント