
今回は、こんな質問をいただきました!
[mathjax]

\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) を因数分解してください!

なるほど、pとqの式ですね
では先生、お願いします!

ザピエルくん、ありがとう!
今回の問題は、2つの文字、pとqを含んだ式の因数分解じゃな
前回の問題に似ておるから、同じ考え方でやってみようかのぉ
その後、式の特徴に注目した、別解も解説することにしよう

別解もあるんですね!たのしみです!

式の特徴を考えることで、サクッと解けることがあるんじゃ
テストなどでは、素早く解ける別解に気づけると、
時間の節約になるんじゃ

なるほどです!

今回の記事を読むと、
①、2文字以上の式の因数分解の、「基本的なやり方」を学べる
②、式の特徴を使った、サクッと解ける「別解」を知ることができる
わけですね!

そのとおりじゃ
では、はじめるかのぉ
【数学 質問解答】高校生の因数分解3(式の特徴も利用する)【高校数学 数A 因数分解】

今回の問題は
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) を因数分解する
だったのぉ

はい、そうです!

まずは、結果を知りたい方のために、
解答を書いておくかのぉ

\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \)
\( = p^2 + pq -4p + pq + q^2 - 4q + 4 \)
\( = p^2 + 2pq -4p + q^2 - 4q + 4 \)
\( = p^2 + (2q -4)p + (q - 2)^2 \)
\( = (p + q - 2)(p + q - 2) \)
\( = (p + q - 2)^2 \)
これが答えじゃ

なるほどです!キレイな結果ですね!
でも、なんか、むずかしい・・・

たしかに、むずかしく感じるかもしれんのぉ
でも、1つひとつ、ていねいに解説するからだいじょうぶじゃ
なにを考えて、変形しているのかを知れば、
解答がシッカリ理解できるようになるはずじゃ

わかりました!

では、1つひとつ解説していくかのぉ
まずは、( )をはずさないと、話がすすまんのぉ

( )をはずすんですネ!
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) の式の
\( (p + q)(p + q - 4) \) って、どうすればいいんですか?

\( (p + q)(p + q - 4) \) は、
\( (p + q) \) は、( )の中に、pとqの2つの項、
\( (p + q - 4) \) は、( )の中に、pとqと-4の3つの項があるのぉ
じゃから、
\( (p + q)(p + q - 4) \) は、
(2つの項)×(3つの項)の計算なわけじゃ。
こういうときは、「分配法則」をつかうんじゃ

「分配法則」ってなんでしたっけ?・・・

分配法則はとても重要じゃ
シッカリ理解しておくんじゃぞ!
お~い、にゃんこくん、分配法則の記事をお願い!

は~い、先生!
「分配法則」ならこちらの記事をどうぞにゃん
『【数学】「分配法則」を身につけたいあなたはこちらをどうぞ【入門・基礎問題・ 中1・正負の数20】』
ちなみに、「項(こう)」についてなら、こちらだにゃん
『【数学】文字を使った式の「項(こう)」と「係数(けいすう)」とは?【入門・基礎問題・ 中1・文字と式11】』

ありがとう!みてみますね!

分配法則をかんたんに説明しておくと、
a ×(b+c)
という式があったとしたら、
この式は、
項1×(項2+項3)
の形をしておるじゃろ
このとき、こういう計算できるってのが、分配法則じゃ
項1×(項2+項3)
= 項1× 項2+項1× 項3

a ×(b+c)
= a ×b + a ×c
ってことなんですね!
なるほどです!
でも、 \( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) の式の
\( (p + q)(p + q - 4) \) って、もっと複雑ですよ~

そうじゃな
分配法則には、別の形もあるんじゃ
例えば、(a + b)(c + d) のようなものじゃ
これは、(項1+項2)×(項3+項4)の形をしておる
これは、項1×(項3+項4)+ 項2×(項3+項4)と分解できるんじゃ
すると、これは上で説明したものが + でわけられておる。
別々に計算すればいいわけじゃな。
項1×(項3+項4)+項2×(項3+項4)
=項1×項3+項1×項4+項2×項3+項2×項4
というわけじゃ

なんだか複雑ですねぇ~

そうじゃな
いきなりマスターするのは無理じゃから、
簡単なものから1つひとつ理解していけばオッケーじゃ
分配法則の記事を参考にするのも1つの手じゃ


わかりました!
じゃあ、問題の式を展開してみますね!
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \)
\( = p (p + q - 4) + q (p + q - 4) + 4 \)
\( = p^2 + pq - 4p + qp + q^2 - 4q + 4 \)
これでいいんですか?

大正解じゃ
複雑じゃが、よくできたのぉ

ありがとうございます!
次はどうすればいいんですか?

この後は、前回解説した考え方でやってみるんじゃ
お~い、にゃんこくん、前回の解説記事をお願い!

は~い、前回のこちらだにゃん!

にゃんこくん、ありがとう!みてみますね!

やることは、上の記事と同じじゃから、詳しくは上の記事をみてほしい
ここではサクッと進めていくことにするかのぉ

文字が複数ある式など、複雑なときは、
「次数が低い文字で整理する」
というのが因数分解の鉄則なんじゃ

文字pは2次、文字qは2次ですね!
同じ次数のときは、どうすればいいんですか?

同じ次数のときは、どちらに着目してもオッケーじゃ
ここでは(好みで)pについて整理してみるかのぉ
整理するというのは、降べきの順にするってことじゃ

なるほどです!
じゃあ、
\( p^2 + pq - 4p + qp + q^2 - 4q + 4 \)
\( = p^2 + 2pq - 4p + q^2 - 4q + 4 \)
でいいんですか?

そのとおりじゃ
ただ、こう書くと、さらにわかりやすいかもしれん
\( p^2 + (2q - 4)p + q^2 - 4q + 4 \)
(pの2次式)+(pの1次式)+(pの0次式)の形になっておるわけじゃ

なるほどです!
では、このあとは、どうすればいいんですか?

pについて整理したわけじゃから、qは数字みたいなもんなわけじゃ
つまり、
\( p^2 + (2q - 4)p + q^2 - 4q + 4 \) の式は、
\( p^2 + 3p + 2 \) みたいな感じなわけじゃ

\( p^2 + 3p + 2 \) なら因数分解できます!
\( = (p +1)(p + 2) \)
ですネ!

そのとおりじゃ!
これと同じことを、pとqの式でやればいいわけじゃ

ん~なんかわからないです・・・

ふくざつになると、できなくなる生徒さんはおおいんじゃ
シンプルな例でできるのに、ふくざつになるとできないときは、
シンプルな例の手順を考えるんじゃ
数字とか文字じゃなく、やった操作を、順序をつけて、整理するわけじゃ。
そしてそれを「手順としてまとめる」んじゃ。
それができたら、その手順を、複雑な問題に適用させればオッケーじゃ

なんだか、わかるような、わからないような
むずかしいですねぇ~

いまはピンとこなくてもだいじょうぶじゃ
どこか頭の片隅のおいておけば、後でピンとくるときがくるはずじゃ

なるほど!わかりました!
じゃあ、いまの問題では、具体的になにをすればいいんですか?

この問題では、シンプルな例
\( p^2 + 3p + 2 \)
\( = (p +1)(p + 2) \)
では、要するに、「たすきがけ」をやっていたわけじゃ
つまり、この例では、
シンプルな例でつかった手順は、
「たすきがけ」というわけじゃ

「たすきがけ」って、自信ないです・・

だいじょうぶじゃ
ゼロからシッカリわかるように、解説した記事があるんじゃ
お~い、にゃんこくん、「たすきがけ」の解説記事をお願い!

は~い、先生!

にゃんこさん、ありがとう!みてみるね!

はいにゃん!

では、
\( p^2 + (2q - 4)p + q^2 - 4q + 4 \)
を因数分解することを考えてみるかのぉ
そのためには、pの0次の項 \( q^2 - 4q + 4 \) が、
なにかの積の形にする必要がある
じゃから、因数分解してみよう!と発想するわけじゃ
なぜなら、因数分解というのは、積の形に変形する操作のことじゃからのぉ
\( q^2 - 4q + 4 \)
\( = (q - 2)^2 \)
\( = (q - 2)(q - 2) \)
となるから、
0次の項は、\( (q - 2) \) と \( (q - 2) \) の積になっておるわけじゃ

0次の項だけを、因数分解したんですね!

そのとおりじゃ
つぎは、その2つの積を使って、表をつくるんじゃ
1 | (q - 2) | (q - 2) |
1 | (q - 2) | (q - 2 |

この表のつくり方は、
「たすきがけ」の記事に詳しく解説しておるから、
不安な方はみてくれるとよい

たすきがけの記事はこちらだにゃん

では話を戻すかのぉ
\( p^2 + (2q - 4)p + (q - 2)^2 \)
を因数分解じゃ。
(q - 2) と (q -2) を足すと、
pの1次の項、2q -4 と一致することがわかる
なので、上の表は、下の表のようにみればオッケーじゃ
{ p | + (q - 2) } | +(q - 2) |
{ p | + (q - 2) } | +(q - 2) |

すると、答えは
{ p + (q - 2) }{ p + (q - 2) }
\( = (p + q - 2)(p + q - 2) \)
\( = (p + q - 2)^2 \)
となるわけじゃ

なるほど~表を書くとわかりやすいですね!
頭の中で考えてたら、こんがらがっちゃったんですが、
書き出すことで、わかりやすくなった気がします!

そのとおりじゃ
頭の中で考えることも大事じゃが、
人間というのは、書き出すことで、
ものごとを「客観視」できて、冷静に考えれるようになるんじゃ

そうなんですね!

なにか難しい問題を考えるときも、
頭の中で煮詰まったら、
わからなくても、とにかく何か書いてみるんじゃ
書くことによって、ひらめくこともあるんじゃ

そうなんですね!ためしてみます!
あ、そういえば、別解はどうなるんですか?

そうじゃな
では、別解の解説をしてみるかのぉ
別解

別解の解答はこんな感じじゃ
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) の
p + q を1文字で置いてみるんじゃ
たとえば、p + q = A としてみるかのぉ
すると、
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \)
\( A(A - 4) + 4 \)
\( = A^2 - 4A + 4 \)
\( = (A - 2)^2 \)
Aを元に戻して、
\( (p + q - 2)^2 \)
これが答えじゃ
最初の因数分解と一致しておるな

ほんとですね!
おきかえることで、とってもスッキリ解けてびっくりです!!
でも、なぜ、おきかえることを思いついたんですか?

いい質問じゃな
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \) の式をみると、
pとqをいれかえてみると、
\( (q + p)(q + p - 4) + 4 \)
p と q を入れかえても、同じ式になっておるじゃろ
こういう式を「対称式(たいしょうしき)」というんじゃ

対称式!?
なんか聞いたことあるような、ないような・・・

対称式の問題は、代入する計算問題などで、よく出てくるんじゃが、
それは今関係ないので、おいておこうかのぉ
ここで言いたいことは、つぎのことじゃ

①、「対称式」は、必ず、「基本対称式」を使って表現できる
②、基本対称式を1つの文字のように考えるといい

これについては、別記事で説明する予定じゃから、
いまは、「へぇ~」「そうなんだ」くらいでだいじょうぶじゃ
ここでいいたいのは、
2文字pとqの対称式があったら、
2文字の式の基本対称式は、p+qとpq で、
p+q や pq を、ひと固まりとして考えるとうまくいく場合があるんじゃ
これがポイントじゃ

つまり、
式が2文字の対称式なら、1文字ずつ考えるだけでなく、
その2文字の「和」と「積」を、1文字のように扱うこともある
ってことですか?

そのとおりじゃ
この思想をもって、今回の式をみてみるんじゃ
\( (p + q)(p + q - 4) + 4 \)
①、この式はpとqの対称式だなぁ
②、2文字pとqの和と積を、ひとまとまりで考えたらどうだろう
③、p+q があるから、まとめて1文字で書いてみよう
と発想するわけじゃ

だから、p+q=A とおく発想が出てきたんですね!

そのとおりじゃ!
式の特徴 + 対称式の知識 ⇒ p+q を1文字に
と発想したわけじゃな

なんか数学っておもしろいですね!

そうじゃな!
1つの問題をいろいろな角度からみて、別解を考える
これは数学のおもしろさの1つじゃ
受験勉強では時間が限られておるから、
1つの問題にたくさん時間をかけられないのはわかる。
ただ、今回のように、別解をみることで、他の知識が結びつくじゃろ?
それは、より深い理解へとつながるんじゃ
じゃから、解答に別解があったら、ぜひ眺めてみて、
それぞれの解法が、どういう発想でつくられたのかを分析してみるのも
数学のおすすめの勉強法なんじゃ

なるほど~
1つの解法さえわかれば、他はめんどくさいし、いいや!って思ってたんですが、
これからは別解もみてみます!

ぜひそうするのをおすすめするぞ
そうすることで、ひらめく力のような、数学力がついていくはずじゃ
というわけで、今回はこのぐらいにするかのぉ
にゃんこくん、今回復習しておいた方がいいことをお願い!
復習しておきたい内容

は~い、先生
今回、復習しておくといい内容は以下だにゃん
①、似た問題の、よりくわしい解説なら、こちらだにゃん
『【数学 質問解答】高校生の因数分解2(2つの文字を含んだ式)【高校数学 数A 因数分解】』
②、「たすきがけ」の記事はこちらだにゃん
『【数学】因数分解のやり方①:たすきがけ【中学数学 中3 因数分解】』
③、「分配法則」ならこちらの記事をどうぞにゃん
『【数学】「分配法則」を身につけたいあなたはこちらをどうぞ【入門・基礎問題・ 中1・正負の数20】』
④、「項(こう)」についてなら、こちらだにゃん
『【数学】文字を使った式の「項(こう)」と「係数(けいすう)」とは?【入門・基礎問題・ 中1・文字と式11】』

にゃんこくん、ありがとう!
では今日はこのくらいにしておくかのぉ
お~い、ザピエルくん、あとお願い!


あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
- 成績をアップさせたい
- 楽しく勉強したい
といったあなたに特にオススメです。
できるだけ楽しみながら勉強できるように工夫しています。
ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


「中学数学」を学んだりやり直しならこちらの本がおすすめだにゃん
『【数学】中学数学を独学したい、やり直したいあなたにおすすめの参考書や問題集はこちらです【中学数学 高校数学 数学検定】』



コメント