[mathjax]

今回は、こんな質問をいただきました!

\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \) の分母を有理化してください!

いわゆる「分母の有理化(ゆうりか)」の問題ですね!
では先生、お願いします

ゼピエルくん、ありがとう
今回は、分母の有理化の問題じゃな
このタイプは、
分母を無理数から有理数にする問題、
と言いかえることもできるんじゃ

そうなんですね!

それと、「分母の」有理化、という、分母というのもポイントじゃな
くわしくは、以下で解説しようかのぉ

はい!お願いします

本記事を読むことで、以下のメリットがあるわけですね
①、有理数、無理数について、理解できる
②、有理化が何かわかる
③、分母の有理化の問題が解けるようになる

そのとおりじゃ
では解説をはじめるかのぉ
【数学】分母の有理化って、どうやればいいの?【平方根 中3 中学数学】

まずは、解答を知りたい方のために、解答例を示しておくかのぉ
\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \)
\( = \frac{ (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) }{ (\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} – 1)} \)
\( = \frac{ (\sqrt{3} – 1)^2 }{ \sqrt{3}^2 – 1^2} \)
\( = \frac{ \sqrt{3}^2 – 2×\sqrt{3}×1 + 1^2 }{ 3 – 1} \)
\( = \frac{ 3 – 2×\sqrt{3}×1 + 1^2 }{ 2 } \)
\( = \frac{ 4 – 2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = \frac{ 4 }{ 2 } – \frac{2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = 2 – \sqrt{3} \)
となり、これが答えじゃ

なにをしてるのか、さっぱりです・・・

1つひとつ解説していくから、だいじょうぶじゃ
わかるよーって方は、スッーと下に行ってくれたらオッケーじゃ
では、見ていくかのぉ
有理数とは?無理数とは?

まずは、言葉を理解できておるかの確認じゃ
今回の問題を解くには、
「有理化」ってなに?
というのを理解しておく必要があるんじゃ
そして、それを理解するためには、
「有理数(ゆうりすう)」
「無理数(むりすう)」
について、キチンと理解しておくのが大事じゃ

有理数?無理数?

なんだっけって方は、
以下の記事で確認しておくのがオススメじゃ
お〜い、ニャンコくん、記事を教えてくれる?


ありがとう!読んでみます

有理数と無理数が理解できたら、
『有理化(ゆうりか)』の説明がわかるはずじゃ
「有理化(ゆうりか)」ってなに?

”有理化しなさい”
っていう問題は、高校入試などでよく出るんじゃ

はい!今回の問題も、有理化してください!って問題でした

そうなんじゃよ
有理化しなさい、というのは、
無理数があれば、有理数に変えてください
という意味なんじゃ

つまり
①、無理数がどれか
わからないと始まらないわけじゃな
そして次に、
②、無理数を有理数にする方法
を知っておく必要があるわけじゃ

そうですね!
どれが無理数かは、上の記事を読んだら理解できました!
代表的な無理数には、平方根などがありますよね

そのとおりじゃ
じつは、
”有理化してください”
という問題でほぼ100%出るのは、平方根を含んだ式なんじゃ
つまり、平方根という無理数を、有理数に変えてくださいね
というのが、ほとんどの問題の内容なんじゃ

なるほどです!
じゃあ、平方根は、どうやって、有理化したらいいのですか!
平方根の有理化の方法とは?

平方根の有理化の方法は、2パターン知っておけばオッケーじゃ
有理化のパターン(1): 分母が平方根が1項のみ

最初のパターンは、こういう問題の時の考え方じゃ
\( \frac{1}{\sqrt{3}} \) の分母を有理化してください

質問した問題よりもシンプルな問題ですね

そうじゃな
分母に、平方根の項が1つだけじゃろ
この時は、以下の解き方でオッケーじゃ
このように、分母に1項だけの平方根を有理化するときに、
分母と分子に、その平方根を掛け算すればオッケーじゃ
ちなみに、「項(こう)」について不安な方は、
以下の記事で理解しておくのがオススメじゃ


ありがとう!読んでみます!

では、話を元に戻そうかのぉ
分母に平方根1項の時の、具体的な計算じゃな

具体的なやり方を知りたいです!

分母と分子に、 \( \sqrt{3} \) をかければいいわけじゃ
\( \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{1×\sqrt{3}}{\sqrt{3}×\sqrt{3}} \)
\( = \frac{\sqrt{3}}{3} \)
となり、分母が \( \sqrt{3} \) の無理数から、
3となり、有理数に変わったわけじゃ
これで分母の有理化ができた、というわけじゃな

この解法のポイントは、
平方根は2乗すると消える
という性質を使ったものなんじゃな

平方根を2乗して消す公式
\( \sqrt{a}^2 = a \)

あ、これ、平方根のところで習った考え方です!
これを応用しているんですね

そのとおりじゃ
平方根は、2乗すると根号の中の数字になる数字
という定義(ルール)じゃから
当たり前といえば当たり前の公式なわけじゃ

なるほどです!
ちなみに、この式のとこで、
\( \frac{1}{\sqrt{3}} = \frac{1×\sqrt{3}}{\sqrt{3}×\sqrt{3}} \)
なぜ、分母と分子に、 \( \sqrt{3} \) をかけたんですか?
無理数がある分母にだけ、かけ算したらいいんじゃないですか?

そうじゃな
そこはよく間違うとことじゃから、よく理解してほしいんじゃ
まず、分母の有理化をするためには、分母にかけるだけでいいんじゃ
だから、分母だけにかけ算すればいいと思うかもしれん
しかし、分母にだけ、自分で勝手に \( \sqrt{3} \) をかけたら、
もともとの式と違うものになってしまうじゃろ ?

あ、そうですね!
例えば、
\( \frac{1}{2} について \frac{1}{2×2} = \frac{1}{4} \)
のように、分母だけに数字をかけ算すると、
元の数と違うものになりますね!

そうなんじゃ
しかし、分母と分子に同じ数をかけ算してごらん

\( \frac{1}{2} \) について
\( \frac{1×2}{2×2} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2} \)
あ!分母と分子の両方に同じものをかけ算すると、
約分できるから、結局、もとの分数と同じものになるですね

そういうことなんじゃよ
だから、分母と分子の両方に かけたんじゃ
分母だけにかけたらダメなわけじゃな

わかりました!
じゃあ、今回の問題では、分母が \( \sqrt{3} + 1 \) なんですけど、
この場合も、分母・分子に \( \sqrt{3} \) をかけるのですか?
有理化のパターン(2): 分母が平方根を含んだ2項の場合

今回は、ちがうパターンなんじゃ
どういうことかというと、
問題の式は、これじゃが
\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \)
分母は、 \( \sqrt{3} + 1 \) となっていて、
2つの項 \( \sqrt{3} \) と \( + 1 \) からできているわけじゃ

上の問題は、
\( \frac{1}{\sqrt{3}} \)
だったんですが、
分母は、 \( \sqrt{3} \) の1つの項でした
今回の問題では、分母が2項でできているところが違いますよね?

そのとおりじゃ
今回は、分母の項数が2つの時の有理化に使えるパターンじゃ
実は、分母の項数が2つ以上といったほうが正確なんじゃがな
これは今はおいておくとするかのぉ

なるほど!
では、分母の項数が3つとかになっても使える解き方なんですね!
どうすればいいのですか!?

このパターンでは、展開公式を応用するんじゃよ
使う展開公式は、これじゃな↓

展開公式
\( (a+b)(a – b) = a^2 – b^2 \)

あ!この公式知ってます!
でも、どうやって、有理化に使うのですか?

まずこれを考えてみるかのぉ
\( \sqrt{2} + 1 \) という式があったとするじゃろ
これに、 \( \sqrt{2} ー 1 \) をかけ算してみるんじゃ

もとの式に、
あいだの符号が変わったものを
かけ算するんですね

そのとおりじゃ
そうすることで、上の展開公式が使える形になるからのぉ
計算してごらん

\( (\sqrt{2} + 1)(\sqrt{2} ー 1) \) は、
上の展開公式が使えますね!
なので、
\( (\sqrt{2} + 1)(\sqrt{2} ー 1) \)
\( = \sqrt{2}^2 ー 1^2 \)
\( = 2 ー 1 \)
\( = 1 \)
となりました!

大正解じゃ
この操作を行うことで、
\( \sqrt{2} + 1 \) という、平方根(無理数)を含んだ式を、
1という有理数の式に変えることができたわけじゃ
ただし今の例は、
\( \sqrt{2} + 1 \) に \( \sqrt{2} ー 1 \)
をかけておるから、
\( \sqrt{2} + 1 = 1\) というわけじゃないがな

なるほどです!
平方根を含んだ2項の有理化には、
展開公式 \( (a+b)(a – b) = a^2 – b^2 \)
が使って、平方根を有理化するのがポイントなんですね!

そのとおりじゃ
では、これらをふまえて、
今回の問題を解いてみるかのぉ
問題の解答例の解説

今回の問題は、これでした
\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \)

まず式を観察すると、分数の形をしておることがわかるのぉ
分母には平方根があることもわかる
そして、分母は平方根を含んだ、2項になっているわけじゃ

分母が平方根を含んだ2項だ!
じゃあ、上の展開公式を使うパターンだ!
と考えればいいのですか?

大正解じゃ!
分母に2項なので、展開公式が使えるように、
分母の \( \sqrt{3} + 1 \) の間の符号を変えた、
\( \sqrt{3} – 1 \) を
分母にかけ算すればいいわけじゃな
分母は有理化されるはずじゃな

なるほどです!

しかしここで注意点があるんじゃ
忘れてはいかんのは、分母だけにかけ算するのはダメじゃったな
元の式と違うものになってしまうからじゃ
つまり、
分母だけでなく、分子にも同じ \( \sqrt{3} – 1 \) をかけ算する
というのがポイントじゃ

あ〜そうでした!
じゃあ、
\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \)
\( = \frac{ (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) }{ (\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} – 1)} \)
と考えればいいんですか?

そのとおりじゃ
最初はややこしい式に見えるかもしれんが、
慣れてしまえば、そんなに難しくはないはずじゃ
慣れるまでは、分母は分母で計算、分子は分子で計算し、
後で分数の形にしてみる、
として解くのも1つの方法じゃな

わかりました!
まだ慣れていないので、分母と分子を別々に計算してみます!
まず分母は、展開公式を使うと、
\( (\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} – 1) \)
\( = \sqrt{3}^2 – 1^2) \)
\( = 3 – 1 \)
\( = 2 \)
となりました!

そのとおりじゃ
では、分子はどうなるかのぉ

えっと〜
\( (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) \)
\( = \sqrt{3}^2 – \sqrt{3} – \sqrt{3} +1 \)
\( = \sqrt{3}^2 – 2\sqrt{3} +1 \)
\( = 3 – 2\sqrt{3} +1 \)
\( = 4 – 2\sqrt{3} \)
となりました!

大正解じゃ
ちなみに、 \( (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) \) の計算じゃが
\( (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) \)
\( = (\sqrt{3} – 1)^2 \)
\( = \sqrt{3}^2 – 2\sqrt{3} +1 \)
として、以下の展開公式を使うと、サクッと計算ができるんじゃよ

かっこの2乗の展開公式
\( (a + b)^2 = a^2 + 2ab + b^2 \)
\( (a – b)^2 = a^2 – 2ab + b^2 \)

なるほどです!
練習してみます!

テストなどでは、時間との戦いでもあるから、
早くできる方法は、できるようにしておくのがオススメじゃ
また、展開公式は、因数分解の逆の公式なので、
因数分解を理解するには、
公式を使った展開になれておく方が有利なんじゃな

わかりました!
ぜひ展開公式をマスターしたいと思います!

では、問題の計算に戻るかのぉ
分母と分子を別々に計算して、
分子が \( 4 – 2\sqrt{3} \)
分母が \( 2 \)
となったわけじゃ

はい!
なので、答えは
\( \frac{ 4 – 2\sqrt{3} }{ 2 } \)
でいいんですか?

正解!
と言いたいところなんじゃが、
分数の時には、「約分」を忘れちゃいかんのじゃ

あ!約分ができますね!
\( \frac{ 4 – 2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = \frac{ 4 }{2} – \frac{2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = 2 – \sqrt{3} \)
となりました!

大正解じゃ!
これ以上計算できないから、これで答えじゃな

よかったです!
ありがとうございました!

わかってもらえたようでよかった
今の説明では、分母と分子を別々に計算したのじゃが、
慣れてきたら、分母分子を同時に計算してもオッケーじゃ
その解き方は、解答例で示したとおりじゃな
もう一度書いておくかのぉ
今回は何をしておるか、意味がわかるのではないかのぉ
\( \frac{ \sqrt{3} – 1 }{\sqrt{3} + 1} \)
\( = \frac{ (\sqrt{3} – 1)(\sqrt{3} – 1) }{ (\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} – 1)} \)
\( = \frac{ (\sqrt{3} – 1)^2 }{ \sqrt{3}^2 – 1^2} \)
\( = \frac{ \sqrt{3}^2 – 2×\sqrt{3}×1 + 1^2 }{ 3 – 1} \)
\( = \frac{ 3 – 2×\sqrt{3}×1 + 1^2 }{ 2 } \)
\( = \frac{ 4 – 2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = \frac{ 4 }{ 2 } – \frac{2\sqrt{3} }{ 2 } \)
\( = 2 – \sqrt{3} \)
となり、これが答えじゃな

今回は何をしているか、わかりました!
うれしいです!!

それはよかった
今回の解説は以上じゃな
実は分母の有理化には、
分母が3項のものが出題されることもあるんじゃが、
2項のやり方と全く同じ考え方なので、
そういう問題に出くわしたら、
何をしているかは解答例を見れば理解できるのではないかと思う
機会があれば、解説記事を書こうかとも考え中じゃ

分母が3項の場合もあるんですね!
解説を聞きたい気もしますチュー

そうじゃな
まずは1項と2項を身につけるのが先決じゃから
そちらをシッカリ理解してもらえたらオッケーじゃ
そのうち3項の場合も解説するかのぉ

はい!お願いします!

了解じゃ
興味ある方は、ツイッターなどフォローしておくと見逃さないはずじゃ
お〜い、ザピエルくん、ツイッターなど教えてくれる!


あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

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具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
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というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


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