ありがたいことに、質問をいただきました!
高校数学の整数分野の証明問題です。
整数はむずかしいイメージがありませんか?
そこで本記事では、質問いただいた問題について、
ポイントとなる「考え方」や「解き方」を、なるべくていねいに解説と動画でまとめました。
【高校 数学】整式が○の倍数であることを証明する問題【整数・数学A】(質問解答編、質問ありがとうございます!)
整式が○の倍数であることを証明する問題
今回質問いただいたのは、以下の問題です↓
nが整数のとき、
n(n-1)(2n-1) が6の倍数であることを証明せよ
このタイプは、整式が○の倍数であることを証明する問題、と(勝手に)呼んでいます。
このタイプの問題は、やり方が決まっているので、
その考え方ややり方に慣れるようにするといいですよ。
ちなみに、
この問題については、整式の特徴に着目することで、
サクッと解答できる別解も示したいと思います。
(試験の時間節約になるかと思います)
【知っておくこと】すべての整数は、除法の性質を使って、別の表現にかえることができる
結論から言うと、
って話です。
そして、
ってのが今回の問題を解くポイントになります。
どういうことか説明しますね。
まずは、前提となる知識が必要です。
そこでそれらの解説からはじめようと思います。
わかってるよ~
って方は、サーっと下にいっちゃってください。
数は、割り算をつかって、書きかえることができる
例えば、6は3の倍数か?を考えてみます。
これは、6を3でわってみて、あまりがあるかないかを調べればわかります。
これを数学らしく書くと、
6=3×2+0
と書けます。
(この意味は、6を3で割った時の、商は2であまりは0ということです。)
となっています。
余りが0なので割り切れることがわかりました。
数は、割り算をつかって、グループ分けができる
では7はどうでしょうか?
7=3×2+1
となり、あまりが1です。
つまり割りきれません。
では8はどうでしょうか?
8=3×2+2
となり、あまりが2です。
割りきれません。
では9はどうでしょうか?
9=3×3+0
となり、あまりが0です。
割りきれました。
・・・
いつまで続くのか!と思ったかもしれませんので、表にまとめました
わられる数 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
わる数 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
商 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 | 4 | 4 |
あまり | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 2 |
表が間違ってないのを確認したら、
注目してほしいのは、「あまり」です。
あまりは、0、1、2、0、1、2、0、1、2、・・・・となっています。
あまりは、0と1と2しかありません。
そして、わられる数が増えても、あまりは0、1、2のの繰り返しです。
つまり、
すべての整数を3で割ったあまりは、
0か、1か、2
のどれかしかない
といえます。
宇宙のはてまでの距離のような果てしなく大きな整数も、
3でわると、あまりは0か1か2かのどれかになります。
これは、見方を変えると、
すべての整数は、3でわると、
①、あまりが0になるグループ
②、あまりが1になるグループ
③、あまりが2になるグループ
のどれかに分けられる
といえます。
これを数式で書いてみますね。
上で説明したように、
です。
わる数が3の倍数のときは、
と書けます。
このように、
「すべての整数」は、「わる数」と「あまり」と別の整数(k)を使うことで、
別の表現で書ける!
というがわかるかと思います。
また、わる数とあまりは、たがいに関係があって、
わる数が4なら、あまりは0、1、2、3、のどれか
わる数が5なら、あまりは0,1,2,3,4、のどれか
わる数が6なら、あまりは0,1,2,3,4、5、のどれか
・・・・
のようになります。
3の倍数だけでなく、4の倍数、5の倍数、6の倍数、・・・・
でも同じ考え方で別の表現ができることがわかります。
では、これらの内容を、数式で書いてみます。
すべての整数が3で割ったときを考えてみます。
あまりは、0か1か2なので、整数は3つのグループに分けれます。
あまりが0(①のグループ)は、別の整数kを使って、
という形で表現できます。
あまりが1のグループ(②)は
あまりが2のグループ(③)は
と書くことができます。
なるほどー
でも、これが質問の問題にどう使えるの?
と思われるかもしれません。
それを説明しますね。
ちょっと以下の例を考えてみてください。
あるクラスの男女構成を知りたいとします。
クラスを3つのグループにわけてみて、どのグループもすべて男性だったとします。
すると、もとのクラスは全員男性、といえますよね。
これと同じことを、整数の世界で考えてみます。
ある整数が3の倍数(3で割り切れるか)を知りたいとします。
ある整数そのままではよくわかりません。
そこで、ある整数をグループにわけて、
それぞれのグループが3の倍数(3で割り切れるか)かどうかを調べる
というように考えます。
具体的には、
すべての整数は、3で割ったとき、あまりは0か1か2なので、
①、あまりが0のとき
②、あまりが1のとき
③、あまりが2のとき
の3グループで調べればいいことがわかります。
そして、①~③すべての場合で、3の倍数であることがいえたとします。
すると、もともと考えたかった整数でも3の倍数である
ということがいえますよね。
これらのことをまずは理解しておきましょう!
すると今回の問題の理解もスムーズになりますよ
(考え方)整式が○の倍数であることを証明する問題
nが整数のとき、
n(n-1)(2n-1) が6の倍数であることを証明せよ
nが整数なので、「n(n-1)(2n-1)」 も整数であることがわかります。
つまり、
nが整数のとき、別の整数「 n(n-1)(2n-1) 」は6の倍数か?を証明する問題です。
6の倍数になるには、整式「 n(n-1)(2n-1) 」が、6×(整数)の形になればいいわけです。
でも、「 n(n-1)(2n-1) 」を見ると、6なんて数字つくれませんよね。
そこで、
nが整数ということに目をつけて、
6が出てくるように、「 n(n-1)(2n-1) 」の表現を変えてみるのはどうか?
と考えてみます。
nが整数なので、6を関係させる別の表現として、(上で説明したとおり)
①、n=6k+0
②、n=6k+1
③、n=6k+2
④、n=6k+3
⑤、n=6k+4
⑥、n=6k+5
と書くことができます。
nを6つのグループにわけて、
それぞれのグループで6の倍数かどうかを調べればいいわけです。
整数「 n(n-1)(2n-1) 」について、
(1)、①から⑥のそれぞれの場合で、6の倍数か調べます。
(2)、そのときには、nをkを使った別の表現に変えてしらべます。
(3)、①から⑥のすべての場合で、
「 n(n-1)(2n-1) 」が「6×(整数)」の形になれば、
「 n(n-1)(2n-1) 」は6の倍数だ、といえる
とすればよさそうです。
これで証明の指針がたちました。
(解答)整式が○の倍数であることを証明する問題
それを実際に証明したのがこちらです↓
6パターンについて、それぞれに調べています。
でも、もっとラクに答案書きたかった!
というのが正直なところです。
テストなどでは時間の勝負なので、書く量は極力減らしたいですよね。
実はこれ、もっと簡単に証明することができるんです!
え!そうなの(一人二役)
というわけで、別解をご紹介します。
(別解①)整式が○の倍数であることを証明する問題
この証明には、別解があって、
式の形に注目するところから生まれます。
「 n(n-1)(2n-1) 」をよくみると、
n(n-1)というのがあります。
これは、「連続する2数の積」です。
なので、必ず2の倍数(偶数)を含んでいることがわかります。
つまり、「 n(n-1)(2n-1) 」は、2の倍数なんです。
そうすると、「 n(n-1)(2n-1) 」が6の倍数であることを示すには、
「 n(n-1)(2n-1) 」が3の倍数であることを示せば、
2の倍数であることとあわせて、6の倍数ということができます。
3の倍数かを調べるには、
①、n=3k
②、n=3k+1
③、n=3k+2
の3パターンを使えばいいので、上の6パターンの解答より、ずいぶん楽になりますよね。
3パターンでの証明がこちらになります↓
1つめの解答よりも、ラクになっているのがわかってもらえるかと思います。
これが1番オーソドックスな解答かなぁと思うのですが、
じつはこの問題には、さらにサクッと解ける、もう1つ別解があります。
(別解②)整式が○の倍数であることを証明する問題
別解の2つ目は、
「 n(n-1)(2n-1) 」の式の特徴に注目することで出てくる解法です。
この式の形だから出来る方法なので、汎用性は高くないですが、
試験で気づくことができれば、大幅に時間を短縮できる解法となっています↓
というわけで、今回は
「整式が○の倍数であることを証明する問題」
について、
- 知っておくべきことから
- 考え方
- 解答
- 2つの別解
をまとめました。

今日のお話はこれくらいにするかのぉ

あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
- 成績をアップさせたい
- 楽しく勉強したい
といったあなたに特にオススメです。
できるだけ楽しみながら勉強できるように工夫しています。
ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


「中学数学」を学んだりやり直しならこちらの本がおすすめだにゃん
『【数学】中学数学を独学したい、やり直したいあなたにおすすめの参考書や問題集はこちらです【中学数学 高校数学 数学検定】』




コメント