
先生、今回は、こんな質問をもらいました!
[mathjax]

96の正の約数の個数と、約数の総和
をもとめてください

約数の個数とその総和の話のようですね~
では、先生お願いします!

ザピエルくん、ありがとう!
今回は、約数の個数と、約数の総和を求める問題じゃな
約数じゃから、整数の問題のような雰囲気があるんじゃが、
この問題じつは、
「場合の数」の考え方をうまく使うんじゃ

そうなのかクマ~
場合の数って、苦手だクマ

だいじょうぶじゃ
ていねいに解説していくから、1つひとつ理解していけばオッケーじゃ

わかったクマ!

今回の記事を読めば、以下のメリットがあるわけですね
①、約数の個数を求めることができるようになる
②、約数の総和を求めることができるようになる
③、①②の背後にある、場合の数の考え方を学べる

そのとおりじゃ
では、解説をはじめるかのぉ
目次
【数学 質問回答】約数の個数と、約数の総和の求め方【高校数学 集合 場合の数】(質問ありがとうございました!)

今回の問題は、2つの問題がなっておる

はい!
まず、96の正の約数の個数、を求める問題で、
もう1つは、その約数の総和、を求める問題です!

そのとおりじゃ
まずは、1つずつやるかのぉ
「約数の個数」の問題からじゃ
約数について

まずは、約数の個数、を考えてみようかのぉ
その前に、「約数(やくすう)」はシッカリ理解できておるかな?

約数ってなんでしたっけ・・・
約数とは

約数については、解説記事があるから、
そちらを読んでもらえると理解が深まるかと思うんじゃ
お〜い、にゃんこくん、その記事を教えてくれる?

ありがとクマ!読んでみるクマ〜

かんたんにいうと、
ある数の約数というのは、その数を割り切れる数のことをいうんじゃ

割り切れるって、なんだっけクマ・・・?

例えば、6を割り切れる数字を考えてみようかのぉ
まず、1を考えてみると、6÷1=6 あまり0
あまりが0になる時、6は1で割りきれる、というわけじゃ
わりきれるから、2は6の約数というわけじゃ

なるほどクマ!

くわしくは、上の約数の解説記事にあるから見てくれるかのぉ

わかりましたクマ!
では、約数を求めるには、どうしたらいいんですか?
約数のもとめ方とは

約数を求めるには、
1、2、3、・・・
という感じで、
調べたい数について、割りきれる数を探していくといいんじゃ
6÷1=6 あまり0 割り切れる!
6÷2=3 あまり0 割り切れる!
・・・
のように計算していくわけじゃ
すると、割り切れた数字を集めて、
6の約数は、1、2、3、6 というのがわかるわけじゃ

なるほどクマ!
でもそのやり方だと、6のような小さい数ならいいですけど、
大きい数字の約数を求める時は、
とっても大変じゃないですか?

そうなんじゃよ
じゃから、別の考え方で求めていくんじゃ
それが今回のポイントでもあるんじゃ

約数の求め方には、別の方法があるんですね!
もう1つの、約数の求め方とは?

ある数の約数というのは、
ある数を割り切れる数なわけじゃ
割り切れる数なので、式で書くと、かけ算で書くことができるんじゃ
どういうことかというと、
12の場合で考えると、2は12の約数で、2で割り切れるわけじゃ
つまり、
12 = 2×(数字)+0
のように、
(ある数)=(約数)×(数字)+0
つまり、
(ある数)=(数字)×(数字)
のように、ある数を数字のかけ算で表すことができるわけじゃな
その時の数字が、約数、というわけじゃ
ちなみに、+0というのは、あまりが0の意味で書いておる

なるほどです!
でも、約数を求めるのと、どう、関係するのですか?

ある数を
(ある数)=(数字)×(数字)
という形にしたら、数字が約数になるわけじゃろ?
つまり、約数を求めるためには、「素因数分解」するといいんじゃよ
素因数分解すると、必ず
(ある数)=(数字)×(数字)
の形になるからのぉ
素因数分解は、シッカリ理解できるかな?

う〜ん、自信ないです・・・

素因数分解は大事じゃから、
こちらの記事を読んでみるのがオススメじゃ
にゃんこくん、解説記事をお願い!

ありがとクマ!読んでみるクマ!
でも、どうやって、素因数分解で、約数を求めるんですか?

では、具体例を見ていくかのぉ
12の約数を考えてみよう
12なら小さい数字じゃから
1つずつ約数を数えることもできるじゃろ?

はい!
えっと〜
1、2、3、4、6、12
の6通りです!

大正解じゃ!
これを、1つずつ考えないで求めたいわけじゃな
素因数分解すると、それができる、という話なわけじゃ

はい!めんどくさいのはイヤだクマ〜
どうやって求めるんですか?

12を素因数分解をすると、
\( 12 = 2^2 × 3 \)
となるじゃろ
ここから、
12=(数字)×(数字)
にするような場合を考えていけばいいんじゃよ

えっと〜
\( 12 = 2^2 × 3 \)
だから、・・・・
あれ、どうすればいいんだろ・・・

ここで、場合の数の「和の法則」や「積の法則」の考え方を使うんじゃ

え?どういうことですか?

和の法則や積の法則はよく理解できておるかな?

ちょっと自信ないクマ・・

だいじょうぶじゃよ
お〜い、にゃんこくん、解説記事をお願い!

はい先生!
場合の数や確率でよく使う、
「和の法則」「積の法則」については、こちらがおすすめだにゃん

この記事では、和の法則や、積の法則の解説だけでなく、
それらの多項式との関係についても解説しておるから、
今回の問題をシッカリ理解したいなら、特におすすめの記事じゃ

わかったクマ!読んでみるクマ!!
けど、和の法則や積の法則が、
約数の求めるときに、どう関係するクマか?

ひとことで言うと、
「素因数分解した因数の組み合わせを、ラクに求めるために使う」
じゃな

え、どういうことですか?

12の場合で考えてみるかのぉ
\( 12 = 2^2 × 3 \)
じゃから、
12=(数字)×(数字)
に表すには、
(2が関係する場合の数)それぞれに、
(3が関係する場合の数)を考える必要があるわけじゃ
じゃから、
積の法則を使って、
(12をかけ算で表す方法の数)
=(2が関係する場合)×(3が関係する場合)
と考えることができるんじゃ

そして、
\( 12 = 2^2 × 3 \)
で、2は2乗になっておるから、
(2が関係する場合)には、
2を使わない場合
2を1回使う場合
2を2回使う場合
の3パターンがあるわけじゃ

じゃあ、
(3が関係する場合)は、
3を使わない場合
3を1回使う場合
の2パターンですか?

そのとおりじゃ
具体的に考えてみると、
(2を使わない場合)×(3を使わない場合)
=1×1
=1
これで、1が約数というわけじゃ
(2を使わない場合)×(3を1回使う場合)
=1×3
=3
これで、3が約数というわけじゃ
(2を1回使う場合)×(3を使わない場合)
=2×1
=2
ここから2が約数、というわけじゃ
(2を1回使う場合)×(3を1回使う場合)
=2×3
=6
ここから6が約数、というわけじゃ
(2を2回使う場合)×(3を使わない場合)
=4×1
=4
ここから4が約数、というわけじゃ
(2を2回使う場合)×(3を1回使う場合)
=4×3
=12
ここから12が約数、というわけじゃ
まとめると、
12の約数は、1、2、3、4、6、12、となるわけじゃな

上で、1つ1つ割り算して求めた約数と同じになってます!

そうなんじゃよ
上で求めた時には、
12を1つずつ、1、2、3、4、5・・・で割る、というように、
約数でない数でも割り算しながら求めたんじゃ
これは大変じゃった
でもここで示した、素因数分解を使った方法だと、
約数でない数を考える必要がないから、
考えるパターンが少なくてすむんじゃよ

なるほどです!
これでラクができますね!うれしいクマ!!

そして、さらにいいことがあるんじゃ

え、なにクマ?
(通販番組みたいだクマ)

実は今回の問題は、約数を求めるのでなく、
約数の個数や、約数の総和を求める問題なんじゃ
つまり、約数を求めてからこれらを求めてもいいんじゃが、
これらは、約数を求めなくても計算できるんじゃよ

えええ!そうなんですか!
約数を求めるところが大変だったので、
個数や総和を求めるのは、さらに大変かと思ってました
そうじゃないんですね

そうなんじゃよ
約数を求めるより、個数や総和の方がサクッと求めれるんじゃ
これから説明することを知っていればじゃがな

え、それは、なんですか!!!???

それは、場合の数を多項式で表現する方法じゃ
場合の数を、多項式で表現する

場合の数と、多項式は、ぜんぜん関係ないように思うかもしれん
しかし、場合の数を数式で表すときには、
多項式で表現することができるんじゃよ

なんですかそれ!?

場合の数と、多項式の関係については、
基礎からくわしく以下の記事で解説しておるんじゃ
自信ない方は、読んでみると理解が深まるはずじゃ


ありがとうクマ!読むクマ〜!

12の約数を考えた例を思い出してほしいんじゃ
\( 12 = 2^2 × 3 \)
と素因数分解でき、
12=(数字)×(数字)
に表すために、
積の法則を使って、
(12をかけ算で表す方法の数)
=(2が関係する場合)×(3が関係する場合)
と考えたわけじゃ

はい!

(2が関係する場合)には、
2を使わない場合
2を1回使う場合
2を2回使う場合
の3つがあったのぉ
これらは、同時に起こるかな?

えっと〜、同時には起こような・・?わからないです

かけて12を作る時に、どれか1つを選ぶので、
同時に選ぶことはないわけじゃ
だから同時に起こることはない
ということは、
この3つの場合は、和の法則で、足し算として表すことができるんじゃ

「2を使わない場合」を、 \( 1 \)
「2を1回使う場合」を、 \( 2 \)
「2を2回使う場合」を、 \( 2^2 \)
と表すと、
和の法則から、2が関係するすべての場合は、
「2を使わない場合」+「2を1回使う場合」+「2を2回使う場合」
= \( 1 \) + \(2 \) + \( 2^2 \)
と書けるわけじゃ

なるほど!
じゃあ(3が関係する場合)だと、
「3を使わない場合」を、 \( 1 \)
「3を1回使う場合」を、 \( 3 \)
と表すと、
和の法則から、3が関係するすべての場合は、
「3を使わない場合」+「3を1回使う場合」
= \( 1+ 3 \)
でいいんですか?

大正解じゃ!
あとは、
(2が関係する場合)と(3が関係する場合)は同時に起こるので、
積の法則で、
(2が関係する場合)×(3が関係する場合)
\( ( 1 + 2 + 2^2 ) ( 1 + 3 ) \)
と書けるわけじゃ

なるほどです!
この多項式は、どう、役に立つのですか?

実は、この多項式を使うと、
「約数の個数」と、「約数の総和」が一発で求まるんじゃよ
約数の個数と総和を求める

まず、約数の個数から求めるかのぉ
約数の個数は、ズバリ、
\( ( 1 + 2 + 2^2 ) × ( 1 + 3 ) \)
の展開した後の、項の数から求まるんじゃよ
展開してごらん

\( ( 1 + 2 + 2^2 ) × ( 1 + 3 ) \)
= \( 1 + 3 + 2 + 6 + 2^2 + 2^2×3 \)
= \( 1 + 3 + 2 + 6 + 4 + 12 \)
= \( 1 + 2 + 3 + 4 + 6 + 12 \)
となりました!

大正解じゃ
これを、上で1つずつ求めた約数と比べてみてほしいんじゃ

上で求めたのは、
1、2、3、4、6、12
の6通りでした!
そして、多項式を展開すると、
\( 1 + 2 + 3 + 4 + 6 + 12 \)
となりました
あ!
多項式の各項が、約数になってます!

そのとおりじゃ
つまり、
多項式の展開式の各項が、それぞれ約数
展開式の項数が、約数の個数に一致
展開式の各項を合計すると、約数の総和
となるわけじゃ

本当ですね!すごい!
じゃあ、多項式で表せさえすれば、
約数や、約数の個数、約数の総和は、サクッと求められますね!

そのとおりじゃ
では、今回の質問の回答解説をするかのぉ

問題は、
96の正の約数の個数と、約数の総和
をもとめてください
です!

まず96を素因数分解して、
\( 96 = 2^5×3 \)
となる
2が関係する場合は、和の法則で、
\( 1 + 2 + 2^2 + 2^3 + 2^4 + 2^5 \)
と書け、
3が関係する場合は、和の法則で、
\( 1 + 3 \)
と書ける
2が関係する場合と3が関係する場合は、同時に起こるので、
すべての約数の関係は、積の法則から、
\( ( 1 + 2 + 2^2 + 2^3 + 2^4 + 2^5 ) × ( 1 + 3 ) \)
と表すことができる
これの展開項の項数は、
6×2=12
で、これが約数の個数となる
また、展開式の総和は、
\( ( 1 + 2 + 2^2 + 2^3 + 2^4 + 2^5 ) × ( 1 + 3 ) \)
\( = ( 1 + 2 + 4 + 8 + 16 + 32 ) × ( 1 + 3 ) \)
\( = 62 × 4 \)
\( = 248 \)
となり、これが約数の総和となる
約数の個数:12
約数の総和:248
これが答えじゃな

なるほどです!
1つずつ数えてたら、とても時間がかかるものが、
多項式を使って表現すると、
サクッと短時間で求めることができるんですね!

そのとおりじゃ
なかなか面白い問題じゃろ?

はい!
約数を場合の数として考えたり、
場合の数を多項式で表現したり、
いろいろな考え方を使っておもしろかったです!

質問してくれた方に感謝じゃな
というわけで、今回は以上とするかのぉ
お〜い、ザピエルくん、あとお願い


あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
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なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
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というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


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