
今回は、こんな質問をいただきました
10円硬貨が2枚、50円硬貨が3枚、100円硬貨が4枚あります。
これらの硬貨の全部、または一部を使って、払える金額は、何通りですか?
先生!お願いします

は〜い、ゼピエルくん
今回は、いわゆる、払える金額問題じゃな
これを考えるために必要なのは、
樹形図
和の法則
積の法則
重複(ちょうふく)
といったものがありそうじゃな

先生!こんにちブーン!
今回は、場合の数のようですね〜
何通りあるか?
って問題って苦手なんです
答えが出ても、確かめることができにくいので・・・

そうじゃな
例えば、因数分解の問題じゃったら、
因数分解した答えを展開してみて、
問題と同じになれば、確実にあってることが確かめることができるのぉ

そうなんです!
場合の数って、確かめができないので、なんかモヤっとします

たしかにそうじゃな
場合の数は、因数分解のような公式というものがないんじゃな
ただし、考え方の方針というか、
これを使うとラクができたり、
間違いを減らすことができる
といった道具があるんじゃな
それらを使いこなすことで、
時間内に、正確に求めれる確率が高まるわけじゃな

はい!わかりました!

本記事を読むと、次のメリットがあるんですね
①、場合の数の考え方について学べる
②、和の法則、積の法則の使い方を理解できる
③、重複(ちょうふく)の扱い方を学べる

そのとおりじゃ
樹形図、和の法則、積の法則、重複、
どれもラクをしたり、間違いを減らすのに重要な考え方なんじゃ
では解説を始めるかのぉ
【数学 質問解答 場合の数】硬貨で払える金額の「場合の数」の考え方・解き方はこちらです【数A 高校数学】(質問ありがとうございました!)

場合の数で大事なのは、
まずは、具体的に、いくつか、考えてみることじゃ
次に、それらの例を参考にして、規則や傾向を考えるんじゃ

う〜ん、むずかしそうですねぇ

最初はそうじゃな
まずは、こんな感じなんだー
ってのをつかんでもらえればオッケーじゃ
では具体的に考えてみるかのぉ
具体例を、いくつか考えて、規則や傾向を考える

まずは、問題をもう一度書いておくかのぉ
”10円硬貨が2枚、50円硬貨が3枚、100円硬貨が4枚あります。
これらの硬貨の全部、または一部を使って、払える金額は、何通りですか?”

まずは、とりあえず、3種類の硬貨(10円、50円、100円)を、
それぞれ1枚ずつ使ってみるかのぉ
まずは、10円1枚、50円0枚、100円0枚という状況じゃ
すると、合計金額は
10+0+0=10円
となるわけじゃ

ちなみに、これは、
10×1+50×0+100×0=10円
とも書けるのぉ
ここがポイントでもあるんじゃ

では次に、10円0枚、50円1枚、100円0枚を考えるとする
すると、合計金額は、
10×0+50×1+100×0=50円
と書けるのぉ
では、10円0枚、50円0枚、100円1枚を考えるとする
すると合計金額は、
10×0+50×0+100×1=100円
となるわけじゃ

たしかにそうですね!
ただ、これじゃ全部で何通りか、
まだ、よくわからないブーン

そうじゃな、
そういう時は、もう少し具体的にしらべてみるといいんじゃよ

わかりました!

次は、10円1枚、50円1枚、100円0枚を考えてみるかのぉ
2枚使うわけじゃな
すると、合計金額は、
10×1+50×1+100×0=60円
となるのぉ
次は、10円2枚、50円1枚、100円0枚を考えてみるかのぉ
すると、合計金額は、
10×2+50×1+100×0=70円
次は、10円2枚、50円1枚、100円1枚を考えてみるかのぉ
すると、合計金額は、
10×2+50×1+100×1=170円
となるのぉ

これらは、合計金額が全部違うので、
それぞれ1通りと数えればいいですね!

そのとおりじゃ
今まで調べたことから、それぞれ合計金額は、
以下のように表せるようじゃったのぉ
合計金額
=10円 × (10円硬貨の枚数) + 50円 × (50円硬貨の枚数)+100円 × (100円硬貨の枚数)

なるほどです!

問題のすべての場合が、この式で表せるとすると、
この式の中で、変わる部分は、硬貨の枚数なわけじゃ
10円硬貨は、全部で2枚あるから、
0枚使う場合
1枚使う場合
2枚使う場合
がそれぞれあるのぉ
そして、これらの場合は、同時には起こらないわけじゃ
つまり、和の法則が使える
なので、全部で3通りがあるわけじゃな

同時に起こらない?和の法則?
って、なんでしたっけ???
和の法則、同時に起こらない、とは?

とっても大切なポイントじゃ
もし、和の法則などがあいまいなら、以下の記事で解説しておるから、
シッカリ理解してほしいんじゃ
お〜い、ニャンコくん、解説記事を教えてくれる!?


ありがとう!読んでみるブーン!

では話を戻して、まとめの続きをやるかのぉ
では、50円硬貨は、どんな場合があるかのぉ?

えっと〜
50円玉は、全部で3枚なので、
0枚使う場合
1枚使う場合
2枚使う場合
3枚使う場合
の4通りがあります!
でいいんですか?

そのとおりじゃ
では、100円硬貨の場合はどうじゃろう?

えっと〜
100円硬貨は、全部で4枚なので、
0枚使う場合
1枚使う場合
2枚使う場合
3枚使う場合
4枚使う場合
の5通りですね!

そのとおりじゃ
では、これらの結果をまとめてみてごらん

えっと〜これらをまとめると、
10円硬貨は3通り
50円硬貨は4通り
100円硬貨は5通り
ということですね!

そのとおりじゃ
積の法則、同時に起こる、とは?

じゃあ、
合計金額を考えるとき、3種類の硬貨を使う状況は同時に起こりますね
だから、積の法則が使えますよね!?

そのとおりじゃ
もし、積の法則や、同時に起こる、について自信がないなら、
こちらの記事でシッカリ理解しておくといいんじゃ


話をさえぎってしまったのぉ
まとめの続きをやってもらえるかい?

はい!積の法則が使えるとことまでわかりました。
求める合計金額の場合の数は、
3種類の硬貨の場合の数のかけ算で表せますよね?
つまり、
3通り×4通り×5とおり=60通り
これが答えでいいんですか!?

大正解じゃ!
といいたいところなんじゃが、
考え方は正解で、答えは違っておるのぉ
この問題については、細かいところをもう少し考える必要があるんじゃよ

え、どういうことですか!?
最初はザックリ求めて、あとで細かく調整する

上の数え方だと、
10円0枚、50円0枚、100円0枚の場合が含まれておるじゃろ?
これらの合計金額は0円になるわけじゃが、
これは払うことができる金額、ではないわけじゃな
なので、この場合は、差し引いて考えないといけないわけじゃ

あ〜なるほどです!
じゃあ、答えは、
60−1=59通り
ですか?

実は、まだ細かいところを考える必要があるんじゃよ

え!まだあるんですか!??

そうなんじゃよ
これが合計金額の場合の数を考えるときの、最大のポイントなんじゃ
次の2つの場合を考えてほしいんじゃ
場合の数の「重複(ちょうふく)」とは?

まず、10円0枚、50円2枚、100円1枚を考えるとする
すると、合計金額は、
10×0+50×2+100×1=200円
と書けるのぉ
では、10円0枚、50円0枚、100円2枚を考えるとする
すると合計金額は、
10×0+50×0+100×2=200円
となるわけじゃ

あ!硬貨の使い方が違うのに、合計金額が同じになってます!

そうなんじゃよ
つまり、同じ合計金額のものを、違うものとして数えているわけじゃ
このように、同じものなのに、違うものとして多く数えてしまうことを
「重複(ちょうふく)」
というんじゃ
だから、答えとなる場合の数は、
この重複したものを引いてあげないといけないわけじゃ

なるほどです!
でも、全部の合計金額を考えて、
その中で重複を除くって考えると、すごく大変ですよねぇ〜

そうなんじゃよ
そこで、合計金額を求める問題では、以下のようなテクニックを使うといいんじゃ

テクニックがあるんですか!?

そもそも、重複を起こすのは、
50円と100円の枚数が原因なわけじゃ
ここで頭を柔らかくして、
重複が起こらないようにできないか?
と発想するんじゃよ

え、そんなことができるんですか?

重複がイヤだったら、重複が起こらないように工夫できないか?
と発想するのは、とても大事なんじゃ
数学では、何かが原因で、公式が使えなかったり、
いつもの方法が使えないことが多いんじゃ
そういう時は、
こうだったらできるのにぃ〜
こうならないかなぁ〜
のように、問題と、自分が解けるパターンの差を比べて、
問題を解ける形にできないか?
と考えるのが定石なんじゃな

今回の問題点は、重複じゃから、
重複がないならできるのにぃ〜
重複をなくせないかなぁ〜
と発想するのは、数学の定石からの自然な発想なわけじゃ

なるほどです!
じゃあ、具体的に、どう、重複をなくすんですか?

こう考えればいいんじゃ
問題では、10円硬貨2枚、50円硬貨は3枚、100円硬貨は4枚あるわけじゃ
例えば、50円硬貨2枚以上あると、100円を作ることができるわけじゃ
そうすると、100円硬貨1枚の場合と、重複してしまうわけじゃな
つまり、50円硬貨が、2枚以上なければ、重複しない!わけじゃ

なるほど!

じゃから、問題の硬貨の50円の枚数を3枚のうち2枚を
100円1枚に変えてしまうんじゃよ
すると、10円硬貨2枚、50円硬貨は1枚、100円硬貨は5枚となるわけじゃ
この硬貨を使った支払い金額の場合の数は、
もともとの問題の時と変わらずに、
重複をはぶくことができるんじゃ

なるほどです!

では、この変更した枚数で、合計金額の場合の数を求めてごらん

はい!えっと〜
10円硬貨2枚、50円硬貨は1枚、100円硬貨は5枚なので、
10円を使う場合は3通り、(0枚、1枚、2枚)
50円を使う場合は2通り、(0枚、1枚)
100円を使う場合は6通り、(0枚、1枚、2枚、3枚、4枚、5枚)
となります!
なので、積の法則から、
合計金額の場合の数=3通り×2通り×6通り=36通り
そして、10円0枚、50円0枚、100円0枚の場合を引いて、
36ー1=35通り
これで答えですか?

大正解じゃ!
よくできたのぉ!

よかったです!
重複をなくすように、硬貨の枚数を変えるんですね〜

その通りじゃ
そこが今回のポイントの1つじゃったわけじゃ
ちなみに、上の解答では、
50円硬貨を、100円硬貨に変えたんじゃが、
100円硬貨を、50円硬貨に変えて、重複をなくしてもいいんじゃよ

なるほど!
問題では、10円硬貨2枚、50円硬貨は3枚、100円硬貨は4枚あるので、
100円硬貨4枚を8枚の50円硬貨にしてしまうわけですね!
すると、
10円硬貨2枚、50円硬貨は11枚、100円硬貨は0枚になりますね
なので、
10円硬貨を使うのは、3通り(0枚、1枚、2枚)
50円硬貨を使うのは、12通り(0枚、1枚、2枚、・・・10枚、11枚)
100円硬貨を使うのは、1通り(0枚)
となるので、積の法則によって、
合計金額の場合の数=3×12×1=36通り
ここから、10円0枚、50円0枚、100円0枚の場合を引いて、
36ー1=35通り
これで上と同じ答えが出ましたね!

大正解じゃ!
これで、硬貨の合計金額を求める問題は、自信が持てたんじゃないかのぉ

はい!次からデキそうです!

それは良かった!
では今回の解説はこのくらいにしておくかのぉ
お〜い、ザピエルくん、あとよろしく!


あ、先生!告知をさせてください

おーそうじゃった

実はいろんなお悩みを聞いているんです

勉強しなきゃって思ってるのに、思ったようにできないクマ

わからない問題があると、やる気なくしちゃう

1人で勉強してると、行きずまっちゃうブーン

誰しもそんな経験があると思います。
実は、そんなあなたが
勉強が継続できる
成績アップ、志望校合格できる
勉強を楽しめるようになる
ためのペースメーカーをやっています。
あなたの勉強のお手伝いをしますってことです。
具体的にはザピエルくんに説明してもらうかのぉ
ザピエルくんお願い!

はい先生!
ペースメーカーというのは、
もしもあなたが、
- やる気が続かない
- 励ましてほしい
- 勉強を教えてほしい
なら、私たちが、あなたのために、
一緒に勉強する(丸つけや解説する)ことをやりながら、
あなたの勉強をサポートするという仕組みです。
- やる気を継続したい
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ご興味のあるあなたは、詳しことはこちらにありますので、よかったらどうぞ↓
「【中学生 高校生 社会人】勉強のペースメーカーはいかがでしょう【受験 入試 資格試験】」
不明な点があったら、お気軽にお問い合わせください

というわけで、ザピエルくん、あとはお願い!


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